鉄道写真家・米屋こうじさんの作品は、走行中の列車からスローシャッターで流し撮りしたものです。中国、ミャンマー、バングラデシュ、タイ、ポルトガル……世界8カ国と日本の鉄道旅の中で繰り返される、たった数秒間の出会いと別れは、儚いようでドラマチック。流れ行く風景の中に、鉄道と共に生きる人や町の姿がくっきりと浮かびます。
何気ない町の一画。
牧草の中で生きるヒツジや鳥。
サッカーに興じる少年たち。
農作業の手を止め列車をじっと見つめる男性。
そして、自転車で田圃のあぜ道を走る子どもたち。
「仕事での移動中、山陰本線の車窓から外を眺めていると、列車に向かって『おーい』と手を振る子どもが目に入り、思わずシャッターを切りました」。
車窓から見える一瞬の情景を流し撮った作品から、列車で通り過ぎる土地にもそれぞれの生活や文化があり、一つひとつに素敵なストーリーがあることを教えてくれているのでしょうか。列車を被写体としなくても鉄道を感じられる作品に、鉄道写真の楽しみ方の枠がどんどん広がっていく気がしました。
とても気さくにお話してくださった米屋さんは写真展やエッセイなど多様な方面で活躍されています。6月24日(土)14:00からはギャラリートークもあるので、撮影秘話など気になる方は、ぜひ会場へ足をお運びください。
【米屋 こうじ 写真展「Hello Goodbye」】
会期:2017年6月22日(木)~28日(水)10:30~18:30(最終日は15:00まで)
会場:キヤノンギャラリー銀座(日・祝休館)
http://cweb.canon.jp/gallery/archive/yoneya-hello-goobye/