津田 浩司 写真展「草花に寄り添って」

レポート / 2017年7月11日

中学校で生物部を立ち上げるほど、幼い頃から植物が好きだった津田浩司さん。毎日のように植物図鑑を手に山へ通い、大学の途中からはカメラを持参して撮影をするようになりました。
本格的に写真を始めるのは、山の集まりである自然体験スクール(木風舎主催)で自然写真家の森本二太郎氏と出会ったことがきっかけです。写真の奥の深さを知り、自分の感動が他の方にも伝わるような作品を作りたいと考えるようになりました。

といっても普段は仕事をしているため、作品づくりのために登山できるのは休日のみ。年に数回しか撮影できない時期もありました。それでも山に登り、そこに生きる草花を撮り続けました。

「特に山形県月山のハクサンイチゲを初めて見た時は驚きました。他の山々では群生している植物が、高冷地の月山では違った表情で咲いている。周りを取り囲む雲の水蒸気が水滴となってハクサンイチゲの茎や毛に留まるんです」。

カメラやメガネのレンズにも水蒸気が結露するため、撮影の際は一枚撮るごとに水滴を飛ばすのだとか。

今回の展示は13年かけて撮りためた作品の集大成です。
山形・月山、群馬・玉原高原、青森・八甲田山、蔦の森、長野各地など様々な山や森で生きる小さな草花や、風雪に耐える木々などが、津田さんのファインダーを通すことで瑞々しい存在感を放ち、見ているだけで心が潤います。

展示期間はあとわずかですが、期間中は毎日在廊されているとのことですので、山登りの中で津田さんが出会った小さな感動の数々に触れたい方は、ぜひ会場へ足をお運びください。

【津田 浩司 写真展「草花に寄り添って」】
会期:2017年7月7日(金)~7月13日(木)
月~金10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会場:富士フイルムフォトサロン東京 スペース2
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s2/17070702.html