篠原 雅彦 写真展「魅惑のツツジ」

レポート / 2017年7月30日

ツツジに魅了されるきっかけとなった長野県赤沢渓谷に咲く岩ツツジの写真と共に

篠原雅彦さんは、ロースクールで法律を学んでいたところから写真家へ転向した異色の経歴を持ちます。カメラを始めたのは、司法試験の勉強をしていたロースクールの学生時代。健康のために始めた散歩がてら、近所の京都御所や寺院などの写真を撮るようになったそうです。
プロの写真家への転向を決意したのは2014年。自分の進路について疑問や不安を感じていた篠原さん。相談した写真家の方々が優しく親身に答えてくれた姿を見て、この人たちのいる世界なら、人と人の触れ合いを感じながら仕事ができるかもしれないと方向転換を決意。風景写真家の辰野清氏に弟子入りし、写真を学びました。

「自分の撮りたいものがあるなら、どうすればそれを撮れるか考えて動かないといけないよ」という師匠からの優しく思いやりのある厳しい指導に後押しされ、自分の撮りたいものを模索して来た篠原さん。ツツジをテーマに自然風景を撮るようになったのは3年前からとのこと。SNSに投稿した岩ツツジの写真に「自然を撮るなら植物の正式名称を書きなさい」という指摘を受けたのを良い機会と考えてツツジについて調べはじめたところ、気づけばツツジの魅力にどっぷり浸かっていたのだそう。
今回は、ツツジ展4部作の第1作として、長野を中心に関東甲信越のツツジ作品17点を展示。今後は東北や関西・四国、中国・九州と、日本各地のツツジ写真を発表していく予定だといいます。

「桜などとは違い、ツツジを撮る写真家は多くありません。野生のツツジが咲くスポットや開花情報などは一から自分で探さなければならないので大変です。しかし、限界を超えて自分の表現したいことに挑戦したり追求できる今はとても楽しいです」。

写真の世界は感性が全てなので答えはなく、自分の個性を生かすことができるのだと、篠原さんは話してくれました。
生け垣や庭園に整備された人工的なツツジではなく、自然の中に根を張りイキイキと咲くツツジに魅了されたい方は、ぜひ会場に足を運んでください。

【篠原 雅彦 写真展「魅惑のツツジ」】
会期:2017年7月28日(金)~8月3日(木)
10:30~19:00(最終日は14:00まで)
土日:11:00~17:00
会場:富士フォトギャラリー銀座