伊勢谷 紳祐 写真展「In my eyes」

レポート / 2017年8月30日

凍結湖と砂丘という対極の地に起こる、色彩、造形、現象の対比を表現!

会場に入るとまず目に止まるのは、氷のブルーと砂丘のイエローを対比させた大きな2枚のプリントです。
真冬のロシアとアフリカ・ナミビア共和国の砂丘という対極の地をそれぞれ旅しながら撮影したと話す伊勢谷紳祐さん。友人や知人との話題に上ったロシアのバイカル湖を訪れたのがこの作品を撮ったきっかけなのだとか。自然がつくったきれいな三角形の氷、オーロラなど、目の前に広がるきれいなブルーや自然の現象に魅せられたと言います。
その後、ブルーと対極のイエローをテーマに撮影したいと考え、アフリカ南西部にあるナミビア共和国に広がる砂丘群を訪れます。一直線に伸びた砂丘の尾根、虹、満点の星空など、ロシア・バイカル湖で見つけた造形や現象にリンクした姿があったそうです。

「自然がつくる不思議な造形に度肝を抜かれましたね。対極の地にあって似たような造形や現象が多くあることに気づき、それを並べてみると面白いんじゃないかと考えました。展示では、自然のつくった形、空、色彩、現象などをテーマに対比させるように配置しています」

伊勢谷さんは完全装備でテント生活をしながら撮影にのぞみ、凍結湖と砂丘の上に広がる星空、朝日、夕焼けなど自然の織りなす鮮やかなシーンをカメラに収めました。会場には大小にプリントされた31点の作品が、色や形、現象などに合わせて対比できるように並べられています。

「カラフルで美しい景色や造形を見て、世界にはこのような色彩があるのだと気づき、楽しんでもらいたいです。これまで来廊された子どもたちからは『魚に見える!』など、何度も見ている僕が気づかなかった新しい発見を教えてもらうことも。ぜひ皆さんの目にどう写るか、感想をいただけるとうれしいです」

伊勢谷さんの作品を眺めていると、自由に形を変える水と砂という似て非なるものが、自然の力を受けることで似たような形をつくるという神秘さを感じます。

最後に「まだまだ駆け出しですが…」と謙遜がちな伊勢谷さん。支援してくれる人たちに報いるためにも、写真家として活躍の幅を広げていきたいと語ってくれました。
会期は残りわずかですが、8月30日(水)17時からギャラリートークが開催されるそうですので、ぜひ会場に足を運び、対極にある色彩や造形に対して伊勢谷さんが感じたことを伺ってみてください。

【伊勢谷 紳祐 写真展「In my eyes」】
会期:2017年8月25日(金)~8月31日(木)
10:00~19:00(最終日は16:00まで)
会場:富士フイルムスクエア
http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s1/17082501.html