吹雪 大樹 写真展 「日は光」

レポート / 2017年9月1日

陽だまりの写真展!

ギャラリー・アビィの代表である吹雪大樹さんは写真映像での表現にこだわった作品づくりをしている写真家です。
会場には、「光」をテーマに20点のカラープリントが展示されています。そこに映るのは、街並みや、道路に立てられている看板、公園、広場などに降り注ぐ、優しい光。普段の生活の中で見ることのできる風景ではあるものの、吹雪さんの技術によって写真の雰囲気が柔らかくなり、まるで「一人の人生の断片」を見ているかのような印象を受けます。
今回の展示にあたり10年前に撮影した写真を再構築したそうですが、作品に収められた光は特別なものだと吹雪さんは言います。

「光が美しい!ということだけで、感動できる時があったんですよね」

実は撮影当時の10年前は、吹雪さんにとって人生のどん底期。絶望にも近い状況の中、吹雪さんは当時住んでいた狭いアパートの窓から降り注ぐ光に気づき、希望をもつことができたそうです。

「光を追いかけていた時期に撮っていた作品には、当時では気づくことのできなかった価値があります。10年越しに見返してみると、『ああ、そういうことだったんだな』って気づくものがあるんですよ」

当時の気持ちを思い出して懐かしそうな顔で語る吹雪さん。10年前に出会った希望の光は、長い年月を経た今でも色褪せることなく、今この瞬間を生きる吹雪さんや作品を見る私たちに優しく差し込んできます。それは時代を超えて思い出を伝えるタイムカプセルと、どこか似ているような。
「日は光」というテーマには、陽だまりのような温かさが込められています。

私たちの身近なところに差し込む希望の光を感じてみたい方は、ぜひ会場へ足をお運びください。

【吹雪 大樹 写真展 「日は光」】
会期:2017年8月30日(水)から9月3日(日)
12:00~19:30(月火休廊)
会場:ギャラリー・アビィ
http://g-avi.com/ex/520/