鈴木 達也 写真展「樹のある風景Ⅱ ―光と風のなかで―」

レポート / 2017年9月3日

北海道の厳しい自然が一瞬見せる、美しい風景!

「こんな感じでいいの?」と照れながらポーズを決めてくれた鈴木さん

会場に展示されている計22点の作品が表現しているのは、北海道の大地に広がる柔らかな光で彩られた美しい光景です。樹と大地と空のみのシンプルな画面構成により、樹の揺らめきや鮮やかな空模様に引きつけられ、とても幻想的な印象を受けます。
風景写真を得意とする鈴木達也さん。中学生の頃に蒸気機関車の撮影で夕張を訪れたのをきっかけに、北海道の広大な景色や澄んだ空気、厳しい自然に魅せられたと言います。それ以降、毎年訪れるほど北海道は特別な地。特に最近は美瑛(びえい)町がお気に入りなのだとか。

「365日のうち1日たりとも同じ風景はありません。特に好きな撮影時間は、太陽の位置が横になる日の出前や、夕方から夜にかけて。ドラマチックな展開が起こりそうな予感がするんです!」

中でも感動的だったのは「茜空」「白樺夕景Ⅰ」と題した作品の撮影です。雨天のため撮影を諦めて街中で買い物をしていたところ、地平線の抜けたところが明るくなっているのを見つけた鈴木さんは、撮れるかもしれないと急いで車を走らせたと言います。

「撮影地に向かうにつれて徐々に晴れ間が広がり、ついには空一面が真っ赤に染まったんです。撮影しているのは僕一人だけ。興奮しました! この景色を独占する贅沢に感激すると同時に、一瞬の感動を分かち合いたいとシャッターを押しました。生涯、北海道を取り続けたいですね北海道の自然が時おり見せる光景、その魔力に取り憑かれているんです(笑)」

雨天の中、地平線の晴れ間が広がっていく様子を熱心に説明してくれる鈴木さん

地域の方の協力もあり、2017年12月には美瑛町の公共施設である丘のまち交流館「bi.yell」で美瑛町をテーマにした写真展を開催するそうです。

かつては真冬のオホーツク海で、流氷の撮影に熱中しすぎて耳が凍傷になりかけたこともある…と、撮影秘話も教えてくれました。
鈴木さんが感動した北海道の幻想的でドラマチックな景色が気になる方は、ぜひ足をお運びください。

【鈴木 達也 写真展「樹のある風景Ⅱ ―光と風のなかで―」】
会期:2017年8月30日(水)~9月11日(月)
10:30~18:30(最終日は16:00まで)
会場:リコーイメージングスクエア新宿(火曜定休)
写真展情報