KAO’RU® 柴原 薫写真作品展14「FLOWER COCKTAIL」

レポート / 2018年12月21日

~自然と人が融合・調和した美しい世界を表現~

会場にて柴原さん。DMに使われている作品「清浄」をバックに。
「作品は一発撮りですが、印画紙にプリントするだけでなく、特殊方法で金粉・金箔を吸着させることで、作品にオリジナル性を持たせています」と柴原さん。

KAO’RU®(柴原薫)さんは、自然が作り上げた造形美と人工物との融合をテーマに作品を制作している写真家です。14回目の個展となる今回のテーマは「FLOWER COCKTAIL」。さまざまなお酒を混ぜて一つの味を作るカクテルのように、色や形の異なる花などの植物を組み合わせて創り出された作品は、見ているだけで華やかで豊かな気分になります。

義眼を使ってSFキャラクター風に仕上げた作品「秋風」の前にて。「植物をSF世界の人物のように見立てたシリーズは偶然と勢いから生まれたものです。そこから、創作世界のキャラクターの生き様をつくろうと考えました。雪女や浦島太郎といった日本神話や伝説を表現したものや、過去にはヨーロッパの神話をモチーフにしたものなどあります」と、柴原さん。少しずつテーマを変え、小物や表現を工夫しながら新しい作品を創作しているそうです。笑顔で製作秘話を語ってくれる様子を見ていると、楽しみながら作品づくりをしている姿が想像できます。

柴原さん曰く「ボタニカルアート(植物標本画)を模して独自のCreative Botanical Art-Styleを生み出した」とのこと。植物をそのまま撮影するのではなく、リボンや和紙、小物などを巧みに用いることで創り出された世界は物語性を感じます。
また、作品に金粉・金箔が使われているのも特徴です。花の芳しい香りを連想させる金箔のきらめきが画面に広がり、五感をくすぐられるよう。

展示スペースの中央空間には、オーガンジー出力の作品や、立体物(フラワーアレンジメント)も展示されています。レインボーローズを中心に、和紙、羽根、義眼を使って作られていて、幸せを運ぶものをイメージ。

「美しいものを飾ると部屋が華やかになり、家族の団欒が生まれるなど、生活が豊かになります。僕が目指しているのは、日々に癒しをもたらすStill Life(静物)写真です。これからも写真表現の可能性を信じ、人と自然の融合・調和した世界を創造することで、自然の美しさとは何かを追求していきたいと思います」

会場には作品26点と、オーガンジー出力2点、立体1点が展示されています。ボタニカルアートスタイルの他に、雪女や浦島太郎など日本の神話や民話に出てくる想像上の生き物をイメージした作品も。義眼を組み合わせることで擬人化された植物が、作品の中からひっそりと人間世界を伺っている不思議な感覚を楽しめます。

写真左はスプレーローズを使った作品「問いかけるまなざし」。
「植物に目をつけることで周りを見ることができるようになるんじゃないかと考えました。人間に対して、自然と共生しているかい?と話しかけてくるような」と柴原さん。

ちなみに作品はすべて4×5カメラで一発撮りしたもの。デジタル加工に間違われるのだと、柴原さんは苦笑しながら教えてくれました。
美しく華やかな世界が好きな方、ボタニカルアートが好きな方、物語性のある作品に興味のある方は、ぜひ会場へ足をお運びください。

作品の世界に合わせて正方形から長方形まで、1点1点考えられた世界です。柴原さんは17〜18年ほど前からスタジオでの静物作品を撮りはじめたそうです。スタジオにこだわるのは外に出たくないから。100%自分の責任で被写体の魅力を引き出せるのが、スタジオでの静物写真の楽しさだと教えてくれました。毎年この時期に個展を開いていて、目玉シリーズ、目玉なしシリーズ、ボタニカルアートスタイルの3つのシリーズがあるそうです。

写真中央はレースフラワーとバラの実、ダリア、ススキを組み合わせた作品「秋の風に乗って」。

【KAO'RU Exhibition Vol.14 "Flower cocktail"】
会期:2018年12月17日(月)~12月23日(日)
11:30~19:00
会場:art space kimura ASK?
http://www2.kb2-unet.ocn.ne.jp/…/2018_12kaoru/2018kaoru.html

柴原さんのWebサイト
http://www.kaorushibahara.com/