増田 雄彦 写真展「BACK 2 HOME」

レポート / 2017年10月20日

古き良きアメリカが残る第二の故郷・ポートランド!

作品について説明する増田さん。近所のレコード店についてのエピソードを語ってくれました。

写真家の増田雄彦さんがアメリカで見つけた「色」は正に「アメリカン・ニュー・カラー」。ポップなカラー作品と、モノクロ人物スナップを融合させることで自身の世界観を表現しています。

夕日が差し込み刈り残しの麦穂が輝く麦畑、ピンク・マルティーニ×由紀さおりのコラボアルバム誕生のきっかけとなった中古レコード店、銀塩専門のカメラ店、『スタンド・バイ・ミー』のロケ地となったブラウンズビルの今、撮影で街歩きをしている中で出会った優しい人々など。
オレゴン州ポートランドには、増田さんのイメージする古き良きアメリカがあるのだと言います。

ポートランドが第二の故郷である増田さんは、夏期休暇を利用して帰省し、年老いた父親の世話をする姉夫婦を手伝うのだそう。今回の写真展では、今夏、二年ぶりに帰省した時に撮影した中から、プリント作品26点と映像作品70点を発表しています。

「ポートランドは僕も一時期住んでいた街。その時に好きだった風景や人との触れ合いを、絵日記のように写真で残したいと考えました。風景の見つけ方や人との距離感は、そこに住んでいた僕だからこその視点だと思います。観光で訪れただけでは出会えないかも。といっても、現地に住んでいる姉夫婦から『これはどこ?』なんて聞かれた写真もあるんですけどね(笑)。一期一会を大切にしています」

ちなみに「BACK HOME」をテーマにした二度目の写真展ということで、シャレをきかせて「BACK 2 HOME」に。会場に流れるポートランドのインディーズ・フォークデュオ「The Talbott Brothers」の楽曲と共に、古き良きアメリカの姿を楽しみたい方は、ぜひ会場へ足をお運びください。

5台のモニターで、それぞれ14点の映像作品が流れます。今回の写真展にあわせて写真集『BACK 2 HOME』も。展示されていない作品も収蔵されていて、見応えがあります。

きちんと考えられた構図で撮られている作品。「よく写真家の方から、かちっとしているねと言われます(笑)。でも、これが僕のスタイルなんです」と、増田さん。

【増田 雄彦 写真展「BACK 2 HOME」】
会期:2017年10月18日(水)~10月28日(土)
12:00~18:30
会場:EIZOガレリア銀座