前田 充晴 写真展「雪の旅 Snowy Journey」

レポート / 2017年12月6日

心象を表現したモノクロームの雪景色!

暗い室内に浮かび上がるように展示されている雪景色。色彩のないモノクロームの世界が深く重く心に訴えかけてきます。
学生時代にバイクで北海道を旅したのをきっかけに一眼レフを購入し、写真を撮るようになったという写真家の前田充晴さん。カラーフィルムで美しい雪景色を収めていたところから、次第に作家として心象風景を表現する現在の形へと変化したそうです。
会場には29点の作品が展示されています。明暗をはっきりとさせたモノクローム作品には、街灯を覆うように降る雪、線路を隠すように地吹雪が舞い上がる様、海を背景に乱れ飛ぶ雪など、生きるか死ぬかを迫る雪の厳しさや恐さが強烈に描写されています。

メイン作品の前で、前田さん。画面いっぱいに雪が降りしきる様に、撮影中のことを伺うと、「電車やレンタカーで移動しながら撮影しています。あまりにも猛吹雪の時は、さすがに恐いと感じることがありますね(苦笑)」とのこと。

「心象風景を表現していますが、僕の気持ちを押し付けるつもりはなく、見てくれた方が作品と対話し参加できるものでありたいと考えています。旅は非日常な体験で、人生的な意味もあります。その終わらない旅を根底に、雪をかぶせることで、二度とない風景の積み重ねを表現しています。昔の何気ない思い出や仕事のことなど、気が抜いた時に頭に浮かぶものに思いを馳せながら、写真と対話していただければうれしいです」。

初の写真展で緊張していますと話す前田さん。「雪の旅」シリーズをはじめ、普遍的なものを表現したスナップ作品、風景や生物など、これからもさまざまな表現に挑戦していきたいとのこと。
ぜひ会場へ足を運び、作品に入り込んでみてはいかがでしょう。

入口すぐの作品。背景によって、雪の表現が白と黒に変わるのが面白いのだそう。

導入部分の作品。電車の車窓越しに写した雪景色などが展示されています。「雪の旅」らしく、さまざまなスポットを旅しているような気分になります。

大きくプリントされたメインの展示作品。導入部分とは異なり、雪の脅威が迫ってくる印象を受けます。

右端の作品が展示最後の一枚。地吹雪で舞い上がった粉雪で線路がホワイトアウトしていく様子を見ていると、自分もこの世界に溶け込んでいくような感覚になります。

【前田充晴 写真展「雪の旅 Snowy Journey」】
会期:2017年12月1日(金)~12月14日(木)
10:30~18:00(最終日は14:00まで)
会場:エプソンイメージングギャラリー エプサイト(日曜休館)