増田 雄彦 写真展「California Days」

レポート / 2020年1月26日

~カラッとした心地よいカリフォルニアの魅力を伝える作品の世界~

会場にて、増田さん

スクエアのフレームには、上下に並んだ2点の作品がそれぞれ額装され展示されています。見ていると自分の中でリズムがどんどん形成されていき、映画のワンシーンのようなストーリー性のある作品世界に魅了されます。

ステートメント

作品発表からソフトの解説、カメラ雑誌への寄稿など、幅広く活動されている増田さんに、写真展のきっかけなどお伺いしました。

アメリカのソフトウェア会社でグラフィックデザイナーとして働く傍ら、写真を撮られていたという増田さん。その写真知識を買われ画像処理のプロダクトマネージャーに。写真家にとって欲しい機能などをエンジニアに伝えたりする仕事で、セールスにも携わっていたとのこと。そのソフトが日本の販売代理店でも販売されることになり、やり取りをしているうちに、様々な理由で2008年帰国することに。帰国後は販売代理店で勤めはじめるも、モノ作りの現場にもどりたいという気持ちに動かされ、写真業界との関わりが増えていたこともあり、フリーの写真家に。

「それがちょうど10年前で、独立宣言ではないのですが、2009年に「California Days」という写真展をしました。それから10年目ということもあり、埋もれてしまったカリフォルニアの作品をアーカイブのためサルベージしました。そのフォトブックを作る意味で見開きに2枚の組写真を考えていたので、上下に並べて展示しています」。

2009年 「California Days」 写真展のポスター

ー今回の写真展であらためて感じられたことなど教えてください。

「逆にこの頃でスタイルが固まったと思いますね。振り返ると10年前の写真展の中で代表作として選んだ作品(上記の画像)が、後に雑誌の表紙として使われたので、自分のセレクトは間違っていなかったと思いました」。

ーこれからアメリカに行って作品にしたいと考えているところなどはありますか。

「一昨年まで家族がいたこともあり年に1~2回は行ってましたが、親戚や兄弟はいますが父が亡くなって行く必要性がなくなり、そういうしばりがなくなった今だからこそ、アメリカのどこに行こうかということを考えますね。人も行かないような、アメリカ人も見向きもしない場所やテーマもいいかな、と考えています」。

モニターで流されているカラー作品と右のポスターが10年前の写真展「California Days」のもの。

増田さんの現在をつくった原点とも言える作品の数々からは、会場の空気感さえ変える心地よい風を感じます。レトロで懐かしくナイスな古き良きアメリカ西海岸。ぜひ会場へ足をお運びください。

【増田 雄彦 写真展「California Days」】
会期:2020年1月22日(水)~2月6日(木)
9:30~17:30
会場:EIZOガレリア銀座(日曜・月曜定休)
https://www.eizo.co.jp/event/pr/galleria_ginza/