平川 学 写真展「ねこ〜なごみにゃ〜」

レポート / 2018年10月10日

地域ねこの自由気ままな暮らしぶりに心がなごむにゃー

建物外観。白と緑のすっきりカジュアルな雰囲気が、展示作品と合っています。

アートスペースPaminaは、表参道ヒルズの裏通りにある、雑貨店のような外観のレンタルギャラリーです。
緑の中にある看板に誘われるように入ると、中はかわいい「ねこ」の写真がずらり。このねこたちは「地域ねこ」と呼ばれる、地域住民やボランティアにより管理されている野良ねこや外飼いのねこです。普段は人物撮影が多いという写真家の平川学さんは、学生だった20年ほど前に飼いねこの成長記録を撮り始めたのをきっかけに、プライベートで地域ねこの撮影をしてきたと言います。

一眼レフを手にして初めに撮ったねこ。
DMに使うほど、平川さんのお気に入りの一枚。

「ねこ撮影で一番嬉しいのは、街中でねこと出会った時。かわいいし、できれば撫でさせてもらいたい(笑)。常にカメラを起動した状態で、ねこを探して街中を歩きまわっています。思い通りに動いてくれない被写体ですが、むしろ予想しない動きがあるのが撮っていて面白いですね」

展示作品をよくよく見ると、耳の先が切れたねこの姿がちらほら。桜耳といって地域ボランティアにより去勢・不妊手術を施された野良ねこを識別するものだそう。「この地域ねこたちは子孫を残さない一代限りの命です。こういうねこがいることを知って、見守ってあげてほしいと思います」と、平川さんが説明してくれました。
都会の物陰から人間社会をじっと見つめるねこ、夏の暑さでだらーんと身体を伸ばして休んでいるねこ、人と共に生きるねこなど。人間と共生する地域ねこが自らの生を思い思いに暮らす姿は切なくも愛おしく写ります。

会場にはシーンごとにゾーン分けされた作品28点のほか、小さめのプリントもたくさん展示されていて見応えがあります。「ふらっと寄ってのんびり観ていってください。それで一匹でも好きなねこを見つけてもらえれば嬉しいです」との平川さんの言葉どおり、取材中もふらりと立ち寄る方が多く、皆さん自由気ままなねこの姿にほっこり顔をほころばせている様子が印象的でした。

今後は大好きな動物関連の撮影など、好きな分野へも仕事の幅を広げていきたいと展望を語る平川さん。期間中は毎日在廊しているそうなので、ぜひ会場のねこ写真でなごみつつ、平川さんとのねこトークで地域ねこへの理解を深めてみてはいかがでしょう。

ねこのシーン(ポーズ)ごとに展示に動きを出す工夫がされています。

ねこのかたまり(?)のように撮りためた作品が。会場には全部で100点くらいあると思います、と平川さん。

【平川 学 写真展「ねこ〜なごみにゃ〜」】
会期:2018年10月9日(火)~10月14日(日)
11:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:アートスペース Pamina(パミーナ)
東京都渋谷区神宮前4-13-1

平川さんのWebサイト「写真とカメラと猫といろいろ」
http://hirakawaphoto.blog.fc2.com/