新家 加奈 写真展「私、endless. 35」

レポート / 2018年11月3日

ありのままを過ごすハワイの人々の日常

路地から見たギャラリー。前庭にはベンチやイスなどが置かれていて、下町散策の合間のアート休憩で立ち寄る方も多いようです。

情緒ある東京の下町、千駄木・根津エリアにあるギャラリー KINGYOは、写真や絵画、彫刻、パフォーマンスなど幅広いアートが楽しめる空間です。

路地から続く開放的なアプローチを通ってギャラリー内へ入ると、ハワイの日常を写した19点のスナップショットが展示されています。サーフボードを持って海へ向かう隣人、ベンチに寝転び海を眺める男性、大きな葉を傘にする人、Bon Dance(盆踊り)をする人々など。何とはないハワイの日常ではありますが、人々が自然体で過ごす穏やかな時の流れを感じる作品です。

会場にて新家さん。「この作品を発表すると思っていなかったので、今回みなさんに見ていただけるのが嬉しいです。声をかけてくださったギャラリーオーナーに感謝しています」とのこと。写真右端の作品はBon Dance(盆踊り)を楽しむハワイの人々を写したもの。

ハワイでの仕事の合間に過ごした時間をフィルムとデジカメの両方で撮影したという写真家の新家加奈さん。写真は自分自身の一番リアルな気持ちを映し出してくれると話す通り、どの作品も初めての異国の地に対する素直な感情が表れていて、優しさと瑞々しい光景を見ているだけで心が浮き立ちます。

「旅行写真ではなく、私が感じたハワイの印象や良いなと思った瞬間を残したくてシャッターを切りました。夢中すぎてあまり覚えていないくらい(笑)。ハワイの人たちは自分らしくある時間を大切にしていました。それは特別なことではなく、当たり前に繰り返されている日常です。歯磨きをする感じ。タイトルの『endless』には、日常、写真といった思いが入っています」

普段の生活でカフェに立ち寄るような感覚で、ふらりとギャラリーに見に来てほしいと話す新家さん。展示期間中は毎日在廊しているとのこと。残りの展示期間は明日までですが、ぜひ下町散策を兼ねてギャラリーへ足を運び、アートや作家との会話を楽しんでみてはいかがでしょう。

作品に写るハワイの人々のように、心地よい風を感じながらイスに座ってのんびりアートを眺める時間を楽しんでみるのも素敵です。

「ゆっくり楽しんで、自分もどこかに撮りに行きたいなと思ってもらえたら嬉しいです」と新家さん。展示の際は、余白の美を意識したとのこと。作品に流れる時間のようにゆったりした雰囲気が漂います。

【新家 加奈 写真展「私、endless. 35」】
会期:2018年10月30日(火)~11月4日(日)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:ギャラリー KINGYO
https://www.gallerykingyo.com/