船寄 剛 写真展「echo」

レポート / 2020年2月1日

~日常の、何気ない情景の中にある散りばめられた思いを集めた作品の数々~

会場にて、船寄さん。偶然お持ちだった、はじめて購入した一眼レフを手にしてもらいました。

会場に入ると、30数点のスナップ写真が整然と並んでいて、ステートメントから続くアメリカの球場で撮られた作品たちは、昔行ったアメリカ旅行がフッと思い出され、球場で食べたホットドッグのことまでよみがえってくる気がしました。

2002年に5年勤めた会社員を辞め写真の道に入ったという船寄さん。その1年前に、購入したものの使い方が分からずオブジェになっていたというカメラの使い方を、大阪のナダールさんで撮り方をはじめ暗室の基本まで教えてもらったとお聞きしました。

手書きの文字でのステートメント。「展示などで手書きで書いている友人が多く、文字って人柄がでるなと思い、今回手書きがいいのでは」と思われたとのこと。

「デジタルも出はじめてはいたのですがフィルム全盛の頃で、スタジオマンからスタートしました。いろいろ教えてもらったり、相談にのってもらっていたナダールの林さんに、最初の頃は仕事もないだろうし、個展をしたほうがいいよというアドバイスをもらい、2003年から写真展をコンスタントにしていました。今思うとそれが良かったと思いますね。

今回5年ぶりの個展になります。作品はスナップ+ポートレートです。高校まで野球をしていたので、野球の写真が多いのですが、観戦に行った球場や地元で野球を教えている先輩・後輩を訪ねて撮らせてもらったり、 地元の鳥取 や海沿いの街で育ち海が好きなので海の写真などを、流れがよくなるように考えて展示しました」。

「あらためて自分にとってスナップってなんだろうと。写真を見る人それぞれに経験や記憶があって、撮る自分だけでなく見る人の記憶を無限に引出し反映されているものが、写真に込められていると思います。スナップに関して僕はだいたいそうなのですが、いろいろな思いに触れた時に、それをとどめておきたいからシャッターを押していると感じています。
見る人にとって響くもの、そんな思いに反応して僕が撮っていること自体「こだま(エコー)」でもあると思います」。

脱サラして2週間後に撮ったという写真をはじめ、船寄さんの私小説、日常という名の作品の数々。それに自分の痛み、喜び、悲しみ、懐かしさなどを共有していくことで豊かな世界が育まれていきます。ぜひ会場へ足をお運びください!

【船寄 剛 写真展「echo」】
会期:2020年1月27日(月)~2月2日(日)
12:00~19:00
会場:Place M
https://www.placem.com/schedule/2020/main/20200127/exhibition.php

船寄さんのWebサイト
http://www.funayose.com/