【パリブログVol.11】「内装工事進行中 2」

パリブログ / 2020年2月14日

日本では連日コロナウイルスのニュースが流れているようだ。

フランスも多分にご漏れず毎日ニュースには上がるが、アジアと距離があるからか、そこまで神経質にはなっていないようだ。報道でアジア人に対する差別が起こっている、という記事も目にしたが実際多少そうしたことは起きているようだ。

ヨーロッパでは、日常的にマスクをする習慣がないため、マスクをしているアジア人が街にいるとそれだけで目立ち、ウイルスのニュースを想起してしまうようだ。生活をしていても、観光地近くの飲食店やお店に行くと、対応が非常に悪かったり、潜在的なアジア人への差別意識もある人にはあると感じる。

ただ、幸い私にはそうしたことはまだ起こっていない。

ギャラリーオープンに向けて仕事をしてくれる方々やアパートの管理人も、近所のパン屋さんもみんな親切だ。

***

工事が始まって1ヶ月が過ぎた。

進捗はなんと順調そのもの。むしろ、少しスケジュールよりも早く進んでいるという幸運である。難しい工事は依頼していないので、日本基準でいえば当然なのだが、周りの友人に話すと「そんなことあるんだ!」と驚かれる。

前回のブログで挙げていた2つの懸念事項も意外とあっさり解決できた。

水道工事は、施工会社にアパートの管理管理者の連絡先を伝えた数日後に現場を訪れると、穴が空いて、管が伸びていた。「解決した」という連絡がないのは、フランスらしいと思ったが、ああだこうだ、言っていた割にはすんなりと工事が済んだのでよかった。

水場と温水用のタンクが設置された

また、ファサードの申請については、提出後に再度役所から「この書類が足りない」「ここの記述がない」という手紙が2回届いた。わざわざ書類を持って確認しに行ったのにその時「大丈夫」って言ったじゃないか! と若干の苛立ちはあったものの、人が変われば言うことが変わるのはよくあること。粛々と書類を集め、送り、また役所に確認しに行き、「これで揃いました」と言う言葉を引き出した。 「2ヶ月以内に連絡します」と言うことだったので、内装が終わってもファサードに着手できない状態になるかと気を揉んでいたのだが、なんとあっさりと「申請を許可します」のメールが1週間ほどで届いた。

13区にあるDirection de l’urabanisme(区画整理課)
再開発が進み近代的な建物が並ぶエリアだ

内装の修繕とペンキの塗り直しの作業はほぼ終えたようで、昨日は床材と壁材の板が現場に搬入され、早速設置作業に取り掛かっている。現場はいつも音楽(レゲェっぽい?)が流れており、缶コーヒーではなく、ビールの缶が置いてあったのには笑った。

ピクチャーレールも専門店で揃え、ようやくギャラリーらしい空間になってきた。

搬入時の様子。床は歪んでいたので平坦にならしている

展示用具の専門店で購入。メトロに入らなかったので徒歩でお店から運んだ

まだ完全に終わったわけではないので気を抜くことはできなないが、順調に進めば今月末には作業が終わってしまうかもしれない。

初めての作業ばかりだし、申請書類や契約書や請求書など、ビジネスで使うフランス語はやはり日常では使わないので、一人で書類とにらめっこしていると行き詰まることが多い。だが、関係者に連絡したり、実際に会って話してみるなど行動に移すと意外と相手も親切に教えてくれるし、するっと解決できたりする。イライラすることも多いが、なんとかやっていけているようだ。

工事の進行に伴い、日本からの荷物の搬入なども準備が進んでいる。

今はまだがらんどうのギャラリーだが、早く作品が展示された状態でお客さんを迎えたい。