金子 美智子 写真展「自然美に写る日本の伝統色たち 緋色 ひいろ」

レポート / 2020年7月23日

~その瞬間にしか存在しない、日本の伝統色に彩られた美しい光景~

会場にて、金子さん。
作家の 金子さんは会期中毎日在廊予定とのこと。

風景写真家として活躍されている金子さんの最新写真集『秘色』が発売され、同時企画の写真展にお邪魔してお話をお伺いしてきました。
全国各地の美しい風景を撮る中で見いだされた、自然界の色と深い繋がりをもつ “ 日本の伝統色 ” 。自然を構成するあらゆる要素に秘められた“秘色”をテーマに表現された作品からは、 心も身体もリフレッシュできるような至福のひと時が感じられます。

2枚の写真で一つの色が表現され、展示では46点、書籍ではそれよりも多い71点の、自然の中にある“秘密の色”にフォーカスされた作品を見ることができます。
写真集では前後のページの色がつながりがあるように構成、見開きページごとの色名とその色で印刷された見出しはまるでインデックスのよう。その日の気分に合わせた色のページをめくるという楽しみ方もできます。

色ごとに展示された作品46点は息をのむ美しさ。女性には蜜柑色の作品が、男性には白練色が好評とのこと。ぜひ会場で見てみてください!

会場のクリスタルプリントでプリントされた作品の色と、遜色のない出来栄えである写真集は、「色がテーマということもあり、できるだけ作品と(色を)合わせたくて、色にはとにかくこだわりました。今までは制作しているなかで、自分でまだまだ、もっともっとと思っていたことが、今回は納得の色がでていると思います」とのこと。

奥日光で一枚の写真との運命的な出会いがあり、その写真の風景を実際に目の当たりにして、「この自分が感じた感動を誰かに伝えたい、自然からのエネルギーを見る人も感じられるような作品を撮ってみたいと思うようになりました」。様々な場所、気象条件の中での撮影は、自分は神さまにこの風景を撮らせてもらっているといつも感じています、とお聞きしたのが印象的でした。金子さんの明るくあたたかい人柄から私も元気をたくさんいただいて、帰り道は足どりも軽くなったほど!

会場では、写真集『秘色』と既刊『 For you~自然からの音色~』が販売されています。
『秘色』 の巻末には参考にしたい、全作品の撮影データ一覧も掲載。
こちらで、 サイン入りの通販もされていますので、会場に見に来れない方はぜひこちらで!

470色とも言われる“日本の伝統色”、聞いたことはあれど知らなかった色名も多く、作品の中にその色を探す楽しみもあります。そして四季の移ろいの中で先人たちが名づけ受け継いてきた思いも身近に感じられます。
日本人としてあらためて大事にしていきたいと思う美しい風景の数々は、見る人それぞれの物語や記憶と重なり、心に迫ってくるようです。
シリーズ化しての次作への意欲もお聞きして、今からそちらもとても楽しみです!

【金子 美智子 写真展「自然美に写る日本の伝統色たち 緋色 ひいろ」】
会期:2020年7月17日(金)~7月23日(木)
平日 10:30~19:00
土・日 11:00~17:00(最終日14:00まで)
会場:富士フォトギャラリー銀座
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/

金子さんのWebサイト
https://michiko-photo.com/