吉永 陽一 写真展「空鉄 うつろいー渋谷駅10年間の上空観察ー」

レポート / 2020年8月9日

~東京で最も変貌する渋谷駅の記録~

会場にて、吉永さん。会期中は毎日在廊されているとのことです。

吉永さんが指差しされているのは、2014年~2020年の渋谷駅の変革が分かる3点の写真。それぞれの違いを見つけるのも楽しい作品です。

空から捉える鉄道写真「空鉄(そらてつ)」を撮り続ける吉永さんの、最新の写真展にお邪魔して、お話を伺ってきました。

会場では展示されていない作品がスライドショーで映し出されています。展示作品と合わせると約100点もの作品をじっくり見ることができます。

ー吉永さんは、渋谷生まれ渋谷育ちとお聞きしました。“渋谷”を撮られるようになったきっかけを教えてください。

地元が劇的に変わっていく様子を記録していきたいという思いがあり、自分のスキルである空撮で、駅が大きく変わると感じた2010年から年に4、5回ほど撮り続けています。慣れ親しんできた古い雑居ビルや街並みがなくなっていくのは、さみしさも感じています。

ー地上を歩いていても気づかない変化を、上空からだとよりリアルに感じますね。

工事中の駅中では、通路をプレハブで囲っているけれど、その中がどうなっているかは分かりません。自分も上から撮ることでの発見がたくさんあり、夜景の撮影時には、とにかく渋谷の街の明るさには驚きました。
代官山など渋谷周辺も撮ってはいますが、今回は駅をテーマに渋谷駅に特化して、今まであったものがなくなり、新しいものに変わっていく様子を時系列でまとめています。定点撮影もしていて、違いがより分かるように工夫もしています。
現在も渋谷駅は工事している状態の中、工事の過程を写真で見てもらう、この一体感を見に来られる方には味わっていただければと思います。
ビルがなくなりホームが消え、地下にホームが移動するという、この10年の間、東京の中でも“渋谷”ほど劇的に駅が変わっているところはないと思います。

まだまだ変貌を遂げる街“渋谷”をこれからも記録し続けていきたいとお聞きしました。
私にとっても上京してはじめて住んだ街が東横線沿線だったので、渋谷は身近な街でしたが、今では出口を間違うと迷ってしまうほど。街、そして駅の転機という、変革の時の中で一抹のさびしさと、変わっていくことへの期待が入り混じる吉永さんの思いが伝わってくる写真展。ぜひ会場へ足をお運びください!

会場では、作品及び写真集の販売もされています。

※入館の際には、マスク着用と手指消毒、サーマルカメラでの検温が実施されています。混雑状況に応じて入場制限もされるそうですので、余裕をもってお出かけください。

【吉永 陽一 空撮鉄道駅写真展
「空鉄 うつろいー渋谷駅10年間の上空観察ー」】
会期:2020年8月7日(金)~8月15日(土)
12:00~20:00
会場:渋谷区文化総合センター大和田2F ギャラリー大和田
https://www.shibu-cul.jp/news/8779.html

吉永さんのWebサイト
http://www.fukuju-net.co.jp/#id48