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小野 隆行さんの個展が2020年10月11日(日)まで東京都 小伝馬町・馬喰町エリアにあるギャラリー Roonee 247 Fine Artsで開催されています。
日本大学芸術学部写真学科を卒業後、ドイツへ渡られた写真家の小野さん。2015年に帰国され、主にモノクロームによるドキュメンタリーやスナップ作品の撮影に取り組まれています。本作で写し出される人々の何とも形容しがたい表情や視線は、鑑賞者の足を止め、想像力を刺激します。そこからは何が見出さるのか、ぜひ会場で確かめてみてはいかがでしょうか?
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日常とは何と思う。
例えばそれは写真のフィルムのようなものでネガの風景は向こうが透けて見える。
違う風景を重ねて行けばフィルムの風景はどんどん見え難くなっていきやがて見えないものとなる、しかし、同じ風景を重ねていけば写されたもの輪郭は益々くっきりと見えてくる。
同じ風景を積み重ねていくこと。日常とはそういうものと思う。
私が視たいと思うのは私自身の潜在意識の中にあるもの、既視感を伴う情景ではなくその外側にあり、誰もが目にしている、誰も視ることない情景なのだと思う。
私の中で既に出来上がってしまっている積み重ねられたイメージの外側からやってきてそれをうち壊してくれるようなものに出会うこと。
そんな時に私はその情景をフィルムの中にとどめてしまいたいと強く思わせられる。
それは決まって、見慣れてしまった風景や出来事のそばでじっと息を潜めこちらを見つめている、それと目を合わせる瞬間、私が視線を投げ返しそれらを認識すること、それが私にとっての写真なのだろう。
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【小野 隆行 個展「Staring Game」】
会場:Roonee 247 Fine Arts
会期:2020年9月29日(火) 〜 2020年10月11日(日) 月曜休廊
12:00〜19:00(最終日は16:00まで)
http://www.roonee.jp/exhibition/room1/20200907142027