【写真展紹介】Adrien BERAUD 写真展「こどもの国」

写真展紹介 / 2020年11月10日

フランス出身のフォトグラファーAdrien BERAUD(アドリャン・ベロ)さん写真展「こどもの国」が、11月10日(火)まで原宿駅から徒歩9分ほどのところにあるTHE blank GALLERY で開催されています。また本展は、山下 晃伸さん 写真展「夜光性静物観察記 ~闇に浮かぶ獣達~ 」と同時開催となります。THE blank GALLERY は、国内の若手作家を中心に企画展を開催するインディペンデントギャラリーです。

フランス南部の田舎町の美しい自然や風景、動物などからインスピレーションを受け、16歳から写真を撮り始めたAdrien BERAUDさん。かねてより環境への強い興味もあり、18歳からはフランス北部の都市・ボーヴェにて地理学を学びました。その頃から徐々に写真よりも音楽に傾倒し、ギターも習い始めます。ボーヴェで3年を過ごした後、ブザンソンで水地質学を専攻し、2017年に博士号を修了後はFrench Atomic Energy Comission (CEA)にてエンジニアとして従事されました。

一年間勤めた後、仕事を辞めて日本を旅する事を決意し、2019年の7月にワーキングホリデービザで来日。この旅が、再び写真を撮り始めるきっかけとなりました。10年間写真から離れていたことで、撮影対象はよりストリートへと変化し、新たな創作を模索し続けています。(本展WEBサイトより引用

本展はAdrien BERAUDさんにとって初の個展にあたります。2019年7月より日本各地を旅し、過疎化が進む地方の風景から、深刻な人口減少の現実を目の当たりにされたとのこと。会場には、その旅の道中で撮影した作品が並び、これらは「こどもの国」と題したシリーズとして展示されています。

・・・以下、本展のステートメントを引用します。

私はAdrien BERAUD(アドリャン・ベロ)、26歳のフランス人、フォトグラファーです。今回は私にとって、人生で初めての写真展になります。

2019年の7月に日本に来る前は、地質学の技術職をしていました。ある日、全てをやめて、しばらく旅に出ることを決意しました。私の人生において辛い時期で、何かを変える必要があったのです。新しい土地で新しい人々に出会い、フランスの外はどのような世界なのか、新しい事を学び新しい可能性を見つける必要がありました。日本はフランスやヨーロッパとは何もかもが違い、興味がありました。私は自身をリセットし、全てをゼロから学ぶ必要がある場所で、一人で何ができるのか挑戦してみたいと思いました。

日本に来て一年以上が経ちますが、大阪、四国、広島、沖縄、北海道、東京など、カメラを持って色々な土地を訪れました。その道中、各地の旅館やカフェ、ゲストハウス、農家などでボランティアの仕事をしました。それらは私にとって初めての経験で、ローカルな人々からたくさんの事を学び、多くの発見がありました。

初めて日本に降り立ったその日から、ストリートから田舎町まで、毎日のように写真を撮っています。旅をして人々と接するにつれて、私のこの国に対する視点は変化し、フランスとの違いがインスピレーションとなって、それは写真にも影響を与えています。

日本の社会への興味が大きくなる中、ある日の函館で気付きがありました。この国が抱える人口減少という題材は、私にとってとても大きな影響を与え、それを作品として発表する必要性を感じるまでになりました。日本の人口は、このペースだと今から500~1000年の間に消滅すると言われています。その厳しい現実は私にとって写真と向き合う閃きとなり、作品を通してこの恐怖を伝えたいと思っています。

私は想像します。今から数百年後、子ども達が居なくなり、ゆっくりと「無」へと進む日本が、どのような世界なのかを・・・。

私にとって初めての写真展「こどもの国」を、ここ日本で皆さんと共有できる事を嬉しく思います。楽しんで頂けると光栄です。

ステートメント

【Adrien BERAUD 写真展「こどもの国」】
会場:THE blank GALLERY
会期:2020年11月6日(金) 〜 2020年11月10日(火)
12:00〜18:00
https://the-blank-gallery.com/blog/?p=4193

Adrien BERAUDさん Instagram https://www.instagram.com/adrien_injapan/