パリブログ Vol.19 「3度目のロックダウンとフランスの郵便事故」

パリブログ / 2021年3月31日

3月20日から3回目のロックダウンが施行された。

年明けからずっと噂されていたし、これまでも6時~18時までの夜間外出禁止令が施行されていたので、驚きはあまりない。

それに今回のロックダウンで変わったのは、夏時間への移行を見越して、夜間の外出禁止時間が19時までと1時間伸びたこと、移動距離に制限が設けられ自宅から10kmになったこと、生活必需品以外の商店の営業停止などだ。

残念ながら、アートギャラリーは営業することができない。今回“生活必需品”の定義も拡大され書店、美容室、電子機器の販売店、ホームセンターのような店は営業可能となったが、アートギャラリーがリストに加わることはなかった。これについてアートギャラリーの組合が、経済活動の不平等を裁判所の機能を持つ国務院に訴えている。

ギャラリー近くの劇場オデオン座の抗議活動。映画館、美術館、劇場などの文化施設は
昨年からずっと閉まったままだ

ころころと変更される感染症対策に、当のフランス人たちが追いつけていないというニュースも目にする。日が伸びて天気が良い日が続いているので、公園や川沿いにはたくさんの人が外に出て、春の陽気を楽しんでいる。

お昼時のサン・マルタン運河

公園や公共施設などで時折行われる野外展示

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ロックダウンがなければ、新しい展示が始まっているはずだったが、準備中にもトラブルがあった。

日本から送ってもらった作品が届かなかったのだ。同じ日に同じサイズの荷物をEMSで2つ発送して、1つは3週間ほどで届いた。しかし、もう一個の便が大阪を出た後、行方不明となってしまった。

発送日からこまめに、追跡番号を見ていたが、行方不明となった便は大阪を出たまま更新されていなかった。もう一便は順調に運送されていたので、「まぁ一緒に届くだろう」と思っていた。ところが届いたのは一便のみで、もう一方のステータスは更新されないまま。日本のスタッフに連絡して、すぐに日本郵便へ調査請求を出してもらった。

フランスの配達事情が悪いのは、今に始まったことではないが、特に評判が悪いのがEMSの荷物をフランスで受け取り、運送する会社だ。家にいたのに「不在だった」と虚偽の報告をして荷物を届けない。荷物をベランダへ放り投げる、荷物は届いたが中身が粉々になっていたなど、日本では考えられないことが起こる。中には親切なスタッフもいるが、嫌な想いをすることの方が多い。

こちらでも紛失した荷物について問い合わせをしてみたが「荷物はまだフランスに届いていないようなので、待ってください。それか、発送者に確認してみてください」という話にしかならない。

何をすることもできないので、私も日本のスタッフも落ち着かない気持ちで一ヶ月ほど調査の結果を待った。

調査結果については、悲しい報せが日本のスタッフから届いた。フランスの運送会社の4行ほどの「見つかりませんでした」という旨のメッセージが添えられて。ところが、紛失後の対応をしようという時に、電話が鳴った。

「荷物を届けに来ましたが、ご在宅でしょうか?」

なまりの強いフランス語で何を言っているのか聞き取るのが難しいが、荷物を届けに来たようだ。まさか、と思って外に出てみると、見覚えのあるサイズの荷物が。慎重に中身を開封してみると作品は無傷だった。すぐに日本のスタッフに連絡をして、ほっと胸を撫で下ろした。

発送から二ヶ月弱経って届いた

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こちらでの生活や仕事にトラブルはつきものなので、かなり耐性はできてきていると思うが、今回は焦った。こちらでできることはほとんどなく、ただ待つだけという状況が歯痒かった。

荷物が届いた現在も、運送会社のサイトで追跡番号を叩くとこの荷物はフランスに来ていないことになっている。

夏時間になり気持ちの良い天気が続いている