京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクは、オリジナル写真の展示・販売を行う、写真専門のアートギャラリーです。現在、京都とパリにギャラリー店舗があり、この2店舗を改めてご紹介できればと思います。それぞれのギャラリー責任者にQ&Aで話を聞いてみました。
Q1.パリギャラリーの紹介をお願いします。
左岸のサン・ジェルマン・デ・プレエリア、メトロ4番線オデオン駅から徒歩5分ほどのところにあります。ギャラリーは3層になっており、1階と地下のカーヴを展示スペースとして公開しています。店内にある特徴的な螺旋階段で登る2階部分は作品の保管用に使用しています。
ギャラリーでは、2ヶ月〜3ヶ月に一度、日本から送られてきた清永安雄の作品を展示。その他、昨年はアムステルダムのUnseenやミラノのMIA Photo Fairなどのアートフェアに参加しました。
火曜日から土曜日まで通常営業していますが、一人体制での運営のため、アートフェア期間中、夏休み、年末休暇、そのほかお昼の休憩時などはギャラリーを閉めています。確実に訪問したい場合は、アポイントメントのご連絡をいただければと思います。
Q2.どういった客層のお客様がよく来ますか?
ギャラリー近辺で生活している学生や教師職員、アーティスト、経営者。外国から来た観光客。パリ在住の日本人。人通りの多いエリアなので、様々な方々にご来店いただいています。日本に行ったことがある、もしくはこれから行ってみたいという、日本に親しみを持っている方々が多い印象です。
Q3.写真販売の難しさ、パリではどういった写真作品が好まれていると思いますか?
清永の作品はシリーズによって作風がガラリと変わるので、アーティスト自身というより、シリーズのファンになってくれる人が多いですね。
お客様と日本の話をするとき、“自然との距離感”については、よく話題に挙がるテーマの一つ。これは日本への旅行体験や、フランスでも人気があるジブリの映画作品の影響を受け、欧米と日本の自然観の違いをより感じるのだと思います。
清永が得意とする抽象作品は見る人すべてに響く作品ではありませんが、ショーウインドーに架けていると「あの作品が欲しいのですが」、と言ってくれるお客様が現れるので、ファースト・インプレッションに訴えるものがあると感じています。
ギャラリー周辺は富裕層の居住が多い地域なので、そういった近所の方や、近辺で働かれている知識層の方が購入されることも多く、こうした方々は別荘やご自身が所有するオフィス等に作品を飾られるよう。またプレゼントに購入する方々も!
具象作品・抽象作品ともに“ハマる人”をこちらから見つけるのは簡単ではありません。そのため交通広告やSNS、アートフェアに参加するなどして、彼の作品を人の目に触れるよう活動をしています。
Q4.接客をしていて嬉しかったことなど教えてください。
フランス人は自分の意見を人に話すのが好きなので、抽象作品の場合も、声をかけると自分の感じとったことを体験とともに話してくれます。
「古都乱調」のヴェルニサージュ(オープニングパーティ)の時、何人かの方たちに作品の感想を伺うと、作家から聞いていた制作意図を実に正確に汲み取って話してくれた方がおり。その時は「清永の感情や情熱が作品に乗っているのが、見る人に伝わっているんだな」、と自分のことのように嬉しく感じました。
お客様との会話の中で、自分では気づかない作品の見方、魅力を教えてもらえることもあり、それがこの仕事の面白さの醍醐味だと思います。
Q5.最後にこちらを見てくださっている方にメッセージをお願いします!
パリのほぼ中心にあるので、観光の折にもお立ち寄りいただきやすいと思います。パリらしい趣のあるスペースの中で作品をご鑑賞いただけますので、ぜひお気軽にギャラリーのドアを開けていらしてください。お待ちしています!
Photo Gallery JAPANESQUE Paris
14 Rue Saint-Sulpice, 75006 Paris
Mardi-Samedi 11:00-19:00
apanesque_paris@shc.jp
07 49 40 05 98