代々木公園のほど近く、代々木八幡に写真集を中心としたアート専門の古書店があります。それが2001年にオンライン書店をオープン、2008年には実店舗をこの地にオープンさせた「SO BOOKS」さん。写真集専門の古書店では草分け的なお店です。
原宿・渋谷の徒歩圏内でありながら落ち着いた住宅街の一角にあるこちらのお店にお邪魔して、店主の小笠原 郁夫さんにお話を伺ってきました。
-お店をはじめられたきっかけについて教えてください。
もともと図書館員として働いていたのですが、その頃から写真に興味があり、アマチュアとして写真を撮ったりしていました。他の人たちはどんな写真を撮っているのかな、といろいろ写真集を見ているうちに本の量が増えてきて、写真に関わる何か、ビジネスをしてみたいと思うようになり、思いきって図書館員を辞め本屋をはじめることにしました。
最初はインターネットからスタートしたのですが、当時はネットの本屋さん自体が少なく、中でも写真集に特化したようなところは日本でも数えるほどだったと思います。
-この場所を選ばれたのは?
特に吟味したわけではないのですが、直感ですかね。最初は恵比寿で探したりもしたのですがピンとこなくて。一度まっさらにしたくて時間を置き、たまたま立ち寄った不動産屋で紹介してもらったこちらに決めました。
代々木公園に近くて緑も多く、都心からのアクセスも良いので、来て頂きやすいのではと思います。
-お店をしていての気づきや喜びを感じることなどお聞きしてもよいでしょうか。
お店に来られる写真家さんたちは、いわゆるコレクターアイテムは購入されず、資料としてや同世代の作家さんはどういった写真を撮っているのかな、という視点で買われる方が多いですね。
写真集が好きでお店をはじめたということもあり、買取でいろいろな本が持ち込まれたときに、吟味する瞬間が一番楽しいです。これまでに見たことがない写真集を目にしたときや、日本でも数冊あるかないかというものが入荷してきたときは、本当に嬉しくて。あと、ありきたりですが、お客様におすすめしたものを購入していただいたとき。それからセレクションを褒めていただいたときですね。
-書店にもいろいろなカラーがあると思うのですが、このお店で小笠原さんが意識してセレクションやカラーに反映しているところはありますか?
真面目な写真集が多い傾向にあるかもしれません。自分ではバランスをとるようにしているつもりですが、お客さまもここはこういったジャンルが強いのかなと感じられて、お申し込みがあるといった流れで、自然にドキュメンタリーが増えていっているのかもしれませんね。
-お店をはじめた当時からの本はあったりしますか?また、どれくらいの冊数からお店をはじめられたのでしょうか?
(書棚の上から下まである一列をさししめされて)この棚の一列ぐらいですが、その当時の痕跡はまったくなく、すべて売れてしまってますね。
できるだけ定番は切らさないようにしているのですが、古書ということもあり、売れてしまうと補充がしにくいので、「これを探している」と来られた時に、ご用意できないことがあるのが心苦しいですね。
-お客様が探されている本の相談にも応じていらしゃるのでしょうか。
そうですね。ありがたいことに常連のお客様もいてくださるので、探されているものが入荷してきたときはもちろんご連絡しますし、テイストや趣味にあったものを目にすると仕入れておいたり、常にご提案できるように好みのものをインプットして意識するようにしています。
お店に入ると左右には大きな白木の書棚があり、状態の良い洋書・和書の写真集、アート系のセレクトされた様々な書籍が並んでいます。有名なものから知らないものまで多数あり、見飽きることがないほどです。
店舗では買取も常時受け付けていらっしゃるとのこと。蔵書の写真集を整理して他の写真集を購入したいなと思っている方もぜひ!
SO BOOKS
〒151-0064
東京都渋谷区上原1-47-5
定休日:日曜/月曜
営業時間:13:00~19:00
https://sobooks.jp/