長いこと写真界の裏方仕事をやってきた。ノンプロ写真家として折々にシャッターを押し続けてきた。当然ながら被写体となって、わが私的人物アルバムを彩ってくださった写真界の方々の、フォトジェニックなお顔は、すばらしい。写真家にかぎらず、写真評論家、ギャラリスト、出版関係者等々、分野は違っても、写真愛は普遍である。そこで、写真展企画、プロデュースを生業の一つとしてきた責任上、自己展示をこの辺でと…腕の未熟も顧みず、まさに蛮勇をふるうのである。この展示、言わば終活の一表現かもしれぬ。
それにしても、風呂上がり細江英公、舌出し大道、見返り卓馬と…、よくもまあ、撮ってきたものだ。ひたすらに感謝を捧げるは、被写体となってくださった写真界の皆々様であり、これからこの写真展の鑑賞者になる「罠にかかった獲物」の人々に、なのである。だが御心配には及ばない、観終わって充分に毒が回っても、20世紀写真界免疫の効力で死に至る病の発症はなく、むしろすがすがしい覚醒に至ることを、確約する。
なお、秘蔵写真、木村伊兵衛ヴィンテージ作品、中島健蔵撮影、写真界の人々も観ていただける特別展示が付属する。つまりは、1950年代から現代までの私的写真界人物アルバムが御覧いただける趣向である。
被写体代表対談 「写真、現在、過去、未来」
①北井一夫 9月6日(金)17時~18時半②西村陽一郎 9月7日(土)17時半~19時 ※諸事情により中止となりました。
③有元伸也 9月8日(日)17時~18時半
④飯沢耕太郎 9月14日(土)14時半~16時
*各回とも、参加費1000円となります。