比嘉 緩奈 写真展「輪郭を辿る」

レポート / 2019年1月23日

~島として日本を捉えることで見えてくるもの~

会場にて、比嘉 緩奈さん

写真展のステートメントを見て、おもしろいなと思ったのが第一印象でした。日本を島国として認識はしているけれど、島として捉えること、普段の東京での生活ではほぼないこと。写真展のきっかけなどお話を伺いました。

ステートメント

「大学の卒業制作では地元沖縄を撮り、この日本を撮ろうと思ったのもその延長線上で、沖縄出身というのがきっかけだった気がします。同じ日本でも日本人という感覚がないように思っていて、大学で九州にきてやっと実感がもててきたという感じです」
「他人事、絵空事だったようなこと全部ひっくるめて、歩いて行ってみることで、身体的に感じられたらいいなとまわりました」

自分も日本というもの自体を感じる、考えることはあるだろうか。なんとなく程度かもしれない。同じ日本とくくるには乱暴と思うほど、沖縄に行ったときに感じるのは、距離だけではかれない、文化や歴史の違い、現実である基地の問題など。行かないと分からないものがたくさんありました。同じ言語を話す日本人だけれど、見えてくるものは違ってあたりまえのはず。共通認識と集約しがちだけれど、それぞれの見え方やあり方の違いや感じ方をあらためて考えさせられた気がします。

沖縄よりもっと南、台湾に興味がありますという次作への意欲もお聞きしました。
比嘉さんの感じたものを見ることで、自分のなかに芽生えていくもの。それを大切にしたいと思える写真展。ぜひ会場へ足をお運びください。

【比嘉 緩奈 写真展「輪郭を辿る」】
会期:2019年1月22日(火)~1月27日(日)
12:00~19:00
会場:TOTEM POLE PHOTO Gallery
http://tppg.jp/exhibitions/2019/higa_followthecontour.html