切妻屋根の痕跡のための類型学

三宅 章介 / Web写真展 Vol.064 / 2021/02/23 ~ 2021/03/07
 今、京都では老朽化した町家がつぎつぎに解体され、街並みのそこここに空き地が出現している。空き地に面した建物の外壁には取り壊された隣家の屋根の痕跡が残されている。かつて、その屋根のもとで営まれたであろう日々の暮らしを偲ばせる。

 痕跡は風雨にさらされ、時の流れのなかで磨耗していくだろう。そこに新たな建物が建てば視界から消える。やがては痕跡を印した壁面も解体され、人々の記憶からも跡形なく消え去るにちがいない。

 わたしは街を彷徨い、屋根の痕跡を見つけては撮影している。これらの写真をベッヒャー夫妻の類型学(Typology)へのオマージュを込めて、「切妻屋根の痕跡のための類型学」と名づける。
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