【写真展紹介】鷲尾 和彦 企画展「Sense of Place」

写真展紹介 / 2020年10月6日

鷲尾 和彦さんの企画展が2020年10月11日(日)まで東京都 小伝馬町・馬喰町エリアにあるギャラリー Roonee 247 Fine Artsで開催されています。

1997年より独学で写真を始められた、写真家の鷲尾さん。これまで、海外から東京を訪れるバックパッカーを簡易宿の室内で撮影したポートレート集『極東ホテル』、日本各地の海岸線に集まる人々を撮影した『To the Sea』、欧州難民危機の渦中で西欧へ逃れてきた移民・難民たちを駅のプラットフォーム上で撮影した『Station』など、「人と場所」との関係性に着目した作品を発表されてきました。

本作では人間社会と自然との関わりやその境界について、写真作品を通して表現されました。ポートレート作品のイメージが強い鷲尾さんですが、本作には人の姿は一切なく、写し出されているのは色とりどりの花々や青々と生い茂る草木。それらの作品からは、自然のもつ生命力やその多様さが垣間見えるとともに、どこか人間社会をも彷彿させます。

また、本作で切り取られている人間社会と自然との境界線の地続きな様子からは、人間も自然の一部であるということ、そして、人間社会だけで完結することは限られているということに改めて思い至ります。いまを生き抜くための気付きも得られる本作をぜひ会場でお楽しみください!

YouTubeでは、鷲尾さんと小説家の柴崎友香さんによる本展のトークセッションが配信中です。撮影秘話や見どころなど盛りだくさんな内容となっておりますので、併せてぜひご覧ください! トークセッションの動画はこちら。

野原、畦道、雑草のしげみの中、
さまざまな草花が咲き競う光景に、突然出会うことがある。
光と影の中で瞬くその色や、
ほのかに漂う匂いにひき寄せられ、
私はそこへ近づこうとする。
よく目を凝らすと、小さな生き物たちも群れている。
私もその一匹だ。

偶然に決められたその場所に根を下ろし、
草花は、芽ばえ、咲き、実を結び、
やがて枯れて、新たな種を残す。
その場所に満ちているのは、
いのちの循環をまわそうとする意思としての生命力だ。
たとえ人の「社会」が弱ろうとも、
「世界」に生気は満ちている。
私は、社会と世界とを往き還る。
あの小さき蜂のように。

ステートメント

これまで出版された写真も会場にてお買い求めいただけます。併せてぜひご覧ください!

【鷲尾 和彦 企画展「Sense of Place」】
会場:Roonee 247 Fine Arts
会期:2020年9月29日(火) 〜 2020年10月11日(日) 月曜休廊
12:00〜19:00(最終日は16:00まで)
http://www.roonee.jp/exhibition/room2/20200912145920

鷲尾さん WEBサイト https://washiokazuhiko.com/