名越啓介写真展「よあけの」

名越啓介写真展「よあけの」
名越 啓介
2024/06/05 ~ 2024/06/22
Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery

東京・馬喰町のアートギャラリーKKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)では、2024年6月5日(水)から6月22日(土)まで、名越啓介写真展「よあけの」を開催します。

名越はドキュメンタリー写真家として、世界各地のマイノリティーな人々と寝食を共にする独特な撮影スタイルで被写体の素顔を引き出してきた。KKAGにおける3回目の展示では、これまでとは異なり、名越の私的な表現作品を展示する。

名越は、2018年から山深い岡山の実家で病に臥す父親と向き合い、母親と共に父親の軌跡を辿ることにした。日本の原風景が残る父親が育った場所を中心に、名越の親族や身の回りの出来事を通じて、日本人が持つ幽玄な世界を表現した作品群24点を展示する。

 

十三月
ネムれない夜がある
真夜中を浮遊しながら
夢と現実を彷徨う
時の針の音とカエルの鳴き声
小手先のごまかしと運命のいたずらが厳しい境遇に陥れる
夜空を見上げる輝く月に
想い返すあの言葉が甦る
心がざわつき始める
動かずじっとして信じる
ずっと待ち続ける

あの三日月の輝く夜更けにあの人は消えた

帰る場所がなくなり
また繰り返し
振り返って
探して
また失くして
孤独を知る
そのありのままの心をさらけだして
愛の深みと己を知る

今日も0.2秒の人生を月影の道の中
あの人の奇跡を探しまた彷徨い続ける

耳に静かな風の音が残るよあけを思い出しながら
沈黙を続けて
自分自身を信じて求めず
よあけを待ち続ける

まぶたが色に染まってゆっくり目を開けると
柔らかな朝の光の靄にゆっくりと
自分の身体中が溶け込み包まれていった

いつかまた出会える日が必ず来る

信じる事の強さをあの人が教えてくれた
今見えるあの美しく輝く光の中へ

視界がはっきりと見え始めてきた
                      名越 啓介

 


 

名越啓介写真展「よあけの」
会期:2024年6月5日(水)~6月22日(土)
   15:00–21:00(最終日は18:00閉館)
   ※日、月、火は休廊
会場:KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)
   東京都千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル405
   入場無料

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