第33回林忠彦賞授賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」

第33回林忠彦賞授賞記念 鶴巻育子写真展「ALT」
鶴巻 育子
2025/05/13 ~ 2025/05/25
Jam Photo Gallery

写真家・鶴巻育子が視覚障害者と関わりながら「見ること」について思考を巡らせるプロジェクト「ALT」。東京のキヤノンギャラリーSで開催された展覧会は大きな反響を呼び、第33回林忠彦賞を受賞しました。本展では「隣りにいる人」「※写真はイメージです」「見ることとは何か」の3部構成からなる同展覧会のうち、視覚障害者とのコミュニケーションに焦点を当てた「※写真はイメージです」のセクションを展示いたします。

 
「ALT」は、鶴巻育子が見ることへの疑問を抱き、見ることを仕事とする写真家の自分とは対極ともいえる視覚障害のある人々に興味を持ったことをきっかけに始まった。
作者は当事者の人々を知るため、視覚障害者の外出をサポートする「同行援護従業者」という仕事にも携わり、その後、視覚障害者31名への取材と撮影の協力により完成させた。

本作は3つのセクションで構成され、セクション1「隣にいる人」は視覚障害者の人々のポートレートで場所は様々である。取材を通して、多くの視覚障害者は制限があるものの晴眼者と変わらない生活を送っていることを知り、彼らに撮影場所を指定してもらった。
セクション2「※写真はイメージです」では、視覚障害と言っても簡単に一括りにできない「見え方」を写真化した作品。複雑な見え方を言葉にする難しさ、イメージの共有とコミュニケーションの限界を実感した鶴巻が、あくまでも「正解」ではないことを前提に新たなイメージを作り出している。
セクション3「見ることとは何か」は、視覚に障害を持つ3めいの人々に依頼し、一緒に街を歩きスナップ撮影を敢行した。視覚以外で世界を感じとっている人々の感覚を写真により視覚化し、見えている作者の写真と比較できる形をとっている。目で見ることが全てではないということ、「見る」という行為を改めて考えさせられる作品となっている。

 
ALTとは…
alternateの略。代わりのもの、代替え、交互の、他の可能性、他の手段。SNSでは「+ALT」ボタンは代替えテキストの略称で、画像の説明を示す用語として使われている。

 


 

▼写真展概要
第33回林忠彦賞受賞記念
鶴巻育子写真展「ALT」

会期:2025年5月13日(火)~5月25日(日)
   12:00-18:00(日曜17:00まで)

会場:Jam Photo Gallery(www.jamphotogallery.com
   〒153-0063 東京都目黒区目黒2-8-7鈴木ビル2階B号室

 
宮添浩司(デザイナー)× 鶴巻育子ギャラリートーク
2025年5月17日(土) 18:00-19:30
場 所:Jam Photo Gallery
参加費:1,000円
要予約:https://jambooks.stores.jp

写真集「ALT」のデザインを手掛けた宮添浩司さんをお招きして、鶴巻育子とのギャラリートークを開催します。
今回は写真のセレクトから本の装丁、文字のデザインなど、3つのセクションで構成されている「ALT」を、写真集として完成させるまでの過程についてお話いただきます。さらに、これまで手掛けた写真集、デザイナーとしての写真の見方なども伺う予定です。

 
■巡回展
会場:ギャラリー・ソラリス(大阪)
会期:2025年7月1日(火)〜7月13日(日)
   11:00〜19:00/最終日18:00まで
   月曜休廊
   https://solaris-g.com