七菜乃写真展『IN ザ ROOM』

七菜乃写真展『IN ザ ROOM』
七菜乃
2025/11/17 ~ 2025/11/23
Art Gallery M84

Art Gallery M84は、2025年11月17日(月)より七菜乃写真展『IN ザ ROOM』を開催致します。

今回の作品展は、Art Gallery M84の第160回目の展示として実施する個展です。
裸は生まれながらに誰もが持つものであり、本来は自然で豊かな存在です。写真展『IN ザ ROOM』は、写真家七菜乃さんが2年間の自宅撮影を通して「裸が日常に息づく姿」を写し出しました。裸を「隠すもの」ではなく「共に在るもの」として捉えた自然な姿であり、その豊かな美しき作品を展示します。入場は、成人限定とさせて頂きます。

 


 

作家からの一言
裸は、すべての人が生まれながらにして持っているものです。けれど社会の中で、裸はしばしば「性的なもの」として強く結びつけられ、隠され、排除されてしまう。私はずっと疑問に思ってきました。本当にそれは「いけないもの」なのだろうか、と。

もし誰かが人生で初めて目にする「裸」が、搾取や消費の対象としてではなく、もっと自然で、もっと人間的なものであったなら——その人の人生はきっと、より豊かなものになるのではないか。その思いが、私を「裸を撮る」という行為に向かわせています。

撮影の被写体は、SNSで募集しています。何度も撮影を重ねて親しくなった方にこちらからお声がけすることもありますが、基本的には自ら希望してくださった方を撮影しています。条件はただひとつ、大人であること、そして女体を持っていること。それだけです。だから作品に現れる身体は、特別に選ばれたものではなく、多様で、ありのままの人間の姿なのです。「撮影に参加したい」と思い、実際に参加してくれるという行為。そこからすでに作品づくりは始まっています。

コロナ禍で外出が難しくなった時期、私はモデルの家を訪ねたり、自分の家に招いたりして撮影を続けていました。やがて「もっと撮影したい」という思いが強くなり、自然光の入る広いスペースを求めて、アクセスのよい場所に引っ越しました。その家での二年間は、生活と制作が完全に重なり合う時間でした。日常の中で裸を撮ることは、特別な儀式ではなく、ごく自然な営みとして息づいていったのです。

私はこれまで「個のヌード」と「集団ヌード」の両方を撮り続けてきました。ひとりの身体には、その人が歩んできた時間や経験が宿り、ありのままの存在として画面に現れます。一方で、複数の身体が並ぶ集団ヌードでは、個々の違いが際立ちながらも、互いに響き合い、重なり合い、その場にしか生まれない関係性が立ち上がってきます。

撮影の場は、決して張り詰めたものではありません。裸であることを必要以上に強調するのでもなく、特別な緊張に支配されるのでもなく、むしろ穏やかで、賑やかで、ときに笑い声が混じるような空間です。そこでは裸は「異質なもの」ではなく、自然で、安心して共にできる状態として受け入れられます。だからこそ、身体が並び合うとき、その場の明るさや温かさまでが画面に映り込んでくるのです。

柔らかな自然光に照らされた身体は、花や布、鏡と溶け合い、裸そのものが風景の一部となります。個と集団のヌードが交わりながら、場全体は一つの大きな呼吸のように広がっていきます。そこに見えるのは、人間が「共に在る」ということの、素朴で豊かな姿です。

裸は本来、性的に消費されるための記号ではなく、もっと自由で、多様で、豊かな可能性を持っている。私はそのことを伝えたいと思い、これからも撮り続けていきます。

 


 

▼写真展概要
七菜乃写真展『IN ザ ROOM』
期 間:2025年11月17日(月)~ 11月23日(日)
    10:30~18:30(最終日17:00まで)
    会期中無休

会 場:Art Gallery M84 Right Room
    東京都中央区銀座四丁目-11-3 ウインド銀座ビル5階
    artgallery-m84.com

入場料:500円(L・R共通)/ 成人限定

作品数:約20点
販 売:展示作品は、全て購入可能

主 催:Art Gallery M84

公式サイト掲載ページはこちら

 

Art Gallery M84では、「アートを展示する場、鑑賞する場、作品を購入できる場」にとどまらず、アートを楽しみ、アートを通じての自己表現を志す方々が集える場所、アートの可能性を広げていく拠点になることを目指しています。プロ・アマを問わず、幅広く作家を紹介する企画を開催してまいります。

 

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