小林紀晴 写真展「ring wandering 悲しき迷走」

小林紀晴 写真展「ring wandering 悲しき迷走」
小林 紀晴
2021/06/15 ~ 2021/07/04
京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク

京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスクでは、2021年6月15日(火)から7月4日(日)まで、2階展示室で、小林紀晴 写真展「ring wandering 悲しき迷走」を開催いたします。


私が生まれ育った八ヶ岳の裾野は冬の寒さが厳しい。その季節、あたかもすべての生命が凍てついてしまったかのように死を強く連想させる。夏のあいだ迷走しながら成長した植物は、冬にその痕跡をあらわにする。一方、古く縄文の時代から人々はこの地で野生動物を追ってきた。追われる動物たちもまた迷走する。枯れた草木は罠のように立ちはだかる。やがて捕らえられ、大地に滴る動物の血は体温とひきかえに湯気をあげる。そのさまは生の象徴のようにも、生と死の交換のようにも映る。人もまた冬枯れのなか、植物と動物のあいだで迷走する。3つの回帰の輪は冬にだけ触れあい、重なる。より死と生があらわになる。それらは悲しくも美しい。

【リングワンダリング】(英: ring wandering ) 人が山中などで方向感覚を失い、無意識の内に円を描くように同一地点を彷徨い歩くこと。

※本展は、過去にニコンサロン(銀座 2014年、大阪 2015年)で展示したシリーズを再構成した内容になります。
冬に故郷(長野県諏訪地方)を大判フィルムカメラで撮影。モノクロ写真はバライタ印画紙でプリントしました。