ハンさんは韓国釜山でギャラリーNEGATIVEを2019年に開設した。フィルム写真が大好きなのでNEGATIVEなのだ。釜山タワーの下、賑やかな国際市場に近いギャラリーで、これまで僕を含め日本人写真家の展示を次々と開催している。

奈良ドリームランドは1961年に開園し2006年に閉園した遊園地。なぜハンさんは遊んだこともなく、廃園になったこの遊園地に何度も通って撮り続けたのだろう。ちょっと不思議だった。

数年前ハンさんの案内で、韓国の炭鉱の町に連れて行ってもらった事がある。そこには1960年に筑豊の炭鉱町で生まれ育った僕の子供の頃の色や匂いがまだ残っていて、初めて歩く街なのになんだかとても懐かしく、愛おしくて、昨年も連れて行ってもらい、またゆっくりと撮り歩いた。
かつて大阪で暮らしていたハンさんもドリームランドに出会った時に、同じような気持ちになったのではないだろうか。きっとハンさんの故郷にも思い出の遊園地があったのだ。異国の地でひとり廃遊園地に立ち、愛おしいモノたちにゆっくりとカメラを向けるハンさんの姿が眼に浮かぶ。

写真光学や撮影、暗室の技術にも明るい彼は35mmから中判カメラ、そして8×10まで使いこなす。ドリームランドも色々なカメラで撮影したそうだが、今回展示するのは中判カメラでの作品とのこと。優しく美しい光を観にきて欲しい。

■開催情報
ハン ビョンハ Han Byungha 写真展「Dream Land」
会期：2024年7月22日（月）〜8月4日（日）
会場：Place M（https://www.placem.com）
　　　東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル3F

公式サイト 掲載ページはこちら

■トークショー
7月28日（日）
18:00開演、19:00よりアフターパーティー
ゲスト：尾仲浩二

 
■RED Photo Gallery 同時開催
ハン ビョンハ Han Byungha 写真展「Another Day」
会場：RED Photo Gallery （Place Mと同ビル2F）
日時：7月22日（月）→8月4日（日） 12:00〜19:00