佐方 晴登 写真展「大きな物語の歴史II / 大地と闘争」
佐方 晴登
2024/12/10 ~ 2024/12/15
TOTEM POLE PHOTO GALLERY
この作品は、1966年から千葉県の三里塚で繰り広げられた、新東京国際空港(現・成田国際空港)建設反対運動の歴史を示したものである。「三里塚闘争」と言い表されたその運動は、当時の学生運動や新左翼の活動家が関与、加担した事で過激化し、死者を出す惨事と化した。70年代以降、横行する過激な運動により大衆の支持を失う一方、更に運動が先鋭化し、テロ・ゲリラが多発した。90年代には、政府と空港反対派との対話により、反対派住民の大半が旗を降ろしたが、今でも一部住人や支援者が闘争を継続している。
1979年、哲学者ジャン=フランソワ・リオタールは、マルクス主義などの既存の知的体系を「大きな物語」として批判し、ポストモダン時代の到来を先見した。だが、未だ「大きな物語」は再生産され、現在でも生き残っている。むしろその影響力が徐徐に増しているのではないだろうか。そのメタ物語の是非はさておき、現代に生きる私達はその「物語=歴史」を批評的に分析する必要性があるのではないか。
変容した風景と、闘争時代の風景の間には歴史的「距離」がある。その距離とカメラ/写真というレイヤーを媒介して見ることで、一種の批評性が獲得できるのではないかと考えた。それは「物語=歴史」を風景を通じて見る事により、次世代に繋ぐという意味での「問い」を投げかけるという事である。
佐方 晴登 写真展「大きな物語の歴史II / 大地と闘争」
Haruto Sakata “History of Grand narrative II”
会期:2024年12月10日(火)〜12月15日(日)
12:00 – 19:00/月曜休廊
会場:TOTEM POLE PHOTO GALLERY(https://tppg.jp)
東京都新宿区四谷四丁目22 第二富士川ビル1F