佐藤圭司「from ハノイ」

佐藤 圭司
2025/03/31 ~ 2025/04/13
RED Photo Gallery
from ハノイ
ベトナムの首都ハノイのノイバイ空港に降り立ったのは11月の初旬、観光にはちょうどいい季節だ。
空港から市内へ行くのにリーズナブルな方法は86番バスに乗ることだ。料金は4万5千ドン、日本円で約270円前後だろう。バスは車内に荷物も人も載せるので、混雑時はカオス状態になる。足の踏み場もない中をぬって車掌が料金を徴収にくる。
ハノイの街はバイクの交通量がとても多い。無数のバイクが右から左から前から後ろから信号に関係なく突っ込んでくる。現地の人に言わせると「信号は飾り物」だそうだ。そんなベトナムの交通事故死は2010年の約1万3千人から最近では約30%減少しているそうだ。
ベトナムには8カ所の世界遺産が存在する。そのうち比較的有名なハロン湾とチャンアンはハノイをベースに日帰り観光ができるスポットだ。
ハロン湾はハノイから東へ約140㎞に位置する波が穏やかな大海原に大小3,000もの奇岩が連なる景勝地だ。伝承では、中国がベトナムに侵攻してきた時、竜の親子が現れ敵を破り、口から吐き出した宝石が湾内の島々になったと伝えられている。
チャンアンはハノイから南へ約90㎞のニンビン省に位置している。チャンアンの景観関連遺産はタムコックや古都・ホアルー、ホアルー特殊用途林などの景観全体が評価され、2014年に複合遺産として世界遺産に登録された。
チャンアンのタムコックは、カルスト地形の景勝地で、洞窟を竹のボート(実際には鉄製に竹が敷かれている)に乗ってサオ・ケー川(Sao Khe River)を進む。川岸にそびえる石灰岩の峰々の壮大な美しさは「陸のハロン湾」とも呼ばれている。
今回のハノイへの旅は、ベトナムの文化を知る上で貴重な旅となった。上記観光地の説明のほとんどはガイドのドンさんから聞いた話だ。ドンさんはベトナムの歴史と文化を熱く語ってくれた。「ベトナムが平和なのはこのほんの50年足らずのことなんです。歴史は歴史として、今、ベトナムの人は世界の人と仲良くしなきゃいけない。」
何故ベトナムの人がフレンドリーなのか、こうした考え方をきちんと教育されていると聞いた。今ベトナムはとても勢いのある国の一つとなった理由を垣間見た気がした。
佐藤 圭司
■開催情報
佐藤圭司「from ハノイ」
会期:3月31日(月)〜4月13日(日)
会場:RED Photo Gallery
東京都新宿区新宿1-2-11 近代ビル2F
(Photo Gallery Place Mと同じビル内)
詳細は公式サイト掲載ページ をご覧ください。