鷹野隆大「in my room 6×6」

鷹野隆大「in my room 6×6」
鷹野 隆大
2026/03/05 ~ 2026/03/30
Exhibition Archives

3月5日(木)より、THE BOOK ENDでは鷹野 隆大 写真展「in my room 6×6」を開催いたします。

 
この度、20年前に刊行した『IN MY ROOM』を復刊することになった。復刊にあたっては、同時期に撮影していた<in my room 6×6>シリーズを追加収録することになった。このシリーズは、のちに<In My Room>としてまとめることになるシリーズに取り組んでいたときに、補助的に撮影していた写真で構成したものである。
当時撮影の主軸としていたのは4x5判の大型フィルムカメラだった。このカメラは構造が極めて旧式で、手持ち撮影が困難な上にファインダーを覗きながらの連続撮影ができない。しかしその不便さゆえに息の長い時間を画面に収めることができるという、制約が生み出す長所があり、わたしはその可能性に賭けて使用していたのだが、撮りたい瞬間に出会ったときの瞬発力に欠ける点はストレスでもあった。そこでやがて、やや小型の6×6判カメラも並行して使うようになった。
機動性が高まると、撮影者の感覚が素直に画面に反映されがちになる。当時のわたしは、他者を他者として画面に定着することを目的としていたため、自分の感覚、より正確には自分の情緒が写し出されることを極度に警戒していた。そこでこの写真も“他の可能性”を探るための<試し撮り>と位置付け、撮影時点では公表するつもりはなかった。
ところが時間が経つにつれ、ここに現れている「彼らと過ごした時間の記録」(それは必ずしも彼らの記録ではない)にも一定の可能性を感じるようになった。そこで2006年にコピー機を用いた手製本を少部数刊行した。ただ、それ以来、改めて取り上げることもなく、埋もれさせたまま20年が過ぎてしまった。
今回、まとまってプリントを展示するのは初になる。改めて当時の写真を眺めながら、撮り方の違いが画面に及ぼす影響を再認識すると同時に、写真というものが撮影者の意図や意思とは別に存在しているような不思議を感じている。

2026年2月 鷹野隆大

 
本展では、作品11点に加え、山田写真製版所より発売の新刊も初披露となります。
ぜひ会場にてご覧ください。

 


 

▼開催情報
鷹野隆大「in my room 6×6」
会期:2026年3月5日(木)− 3月30日(月)
   11:00-18:00
   火·水曜定休 / 入場無料

会場:THE BOOK END
   兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5 海岸ビルヂング 302 THE BOOK END
   080-7007-6949 / hello@the-book-end.com
   https://the-book-end.com

※駐車スペースはございませんのでお車でのご来店はご遠慮ください。
※展示物の関係上、祝花はお断り申し上げます。
※入場制限やアポイントメント制とさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

 


 

▼プロフィール
鷹野隆大(タカノ リュウダイ)
写真家。1963年福井県生まれ。1994年からセクシュアリティをテーマに作家活動を開始。女か男か、同性愛か異性愛かといった二項対立の狭間にある曖昧なものを可視化することを試みた作品集『IN MY ROOM』 (2005)で木村伊兵衛写真賞を受賞。その後は同テーマをポルノグラフィカルな形式を通して探求したシリーズ〈男の乗り方〉、無防備なセクシュアリティの表出が警察沙汰を招いた〈おれと〉など、性欲という“下半身の問題”をアイデンティティや社会規範との関わりのなかで捉える作品を発表している。
他に、“市場価値のない”身体イメージを集めたシリーズ〈ヨコたわるラフ〉、極めて身近でありながら顧みられることのない日本特有の都市空間を写した〈カスババ〉など、視覚表象における価値のヒエラルキーを問う作品シリーズがある。
2011年の東日本大震災以降は影をテーマに種々の作品に取り組んでいる。2021年には国立国際美術館で個展『鷹野隆大 毎日写真1999–2021』を開催。翌2022年に文化庁令和3年度(第72回)芸術選奨美術部門文部科学大臣賞受賞、第38回写真の町東川賞国内作家賞受賞。2025年には東京都写真美術館の開館30周年を記念した展覧会第一弾として個展『鷹野隆大 カスババ―この日常を生きのびるために―』が開催された。

 


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