彩の国

彩の国
青木 秀平
2016/11/22 ~ 2016/11/28
ニコンプラザ東京 THE GALLERY

作者は家のそばから少しずつ距離を伸ばしながら撮影を続けた。

撮影当初、作者にとって、都市近郊にあたるこの土地は「変わる」というイメージが強かった。

少し前までは畑や田んぼだったところが急に、家の建築工事が始まっていたりする。

しかし、撮り歩き続けることにより、これらとは違う、別のものに作者は目が行くようになった。

春夏秋冬を通して行われる農作。

先人の残した跡など変わらないものが見えてきた。

これらのものを探しているうちに、作者の足は北、東、南にかかる県境まで達した。

なかには、お稲荷さんや御岳山に見立てた塚。

古いものでは江戸時代につくられた道祖神などがあった。

作者にとって、変わらないものとは、はた目には変わらないように見えるという意味で、微細な変化はもちろんある。

農作のあり方が変わっていたり、先人の残した跡は、その土地の人びとがそこに新たな鳥居を建てたりしている。

急に大きく変わる風景。はた目にはわからないが、微細に変わっている風景。

二つの風景を撮影し展示することにより、埼玉県東南部の風土や姿を感じていただければと作者は思う。