西川 善康 写真展「こどもかるた」

レポート / 2017年8月4日

3人の子どもに贈る愛の写真!

gallery 176は阪急宝塚線の服部天神駅すぐにあるギャラリーです。
扉を開けると、46点もの作品が目に飛び込んできます。どの作品にも子どもたちの愛らしい顔や姿が映し出されていて、ギャラリー全体が幸せな雰囲気で包まれていました。

「フレームに入れて展示するのは違うなと思ったんです」と語る西川善康さん。作品は、キャンバス生地にプリントされ、木製パネルに取り付けられていてまるで絵画のよう。柔らかい感じを求めた展示が、子どもたちの笑顔をより温かくしています。

〈家族で作る読み札〉
タイトルの「かるた」にちなんで、作品の一つひとつには、ひらがな一文字が添えられていて、別に用意された読み札とセットで一つの作品になっています。家族連れで来廊される方が多く、子どもたちは読み札を見ながら、それと合う絵札(写真作品)を楽しげに探しているのが印象的でした。
読み札の内容は、西川さんのご家族全員で考えられたのだとか。「妻が国語の先生なので、ちゃんとした文章になっているのは妻が考えたやつです」と笑顔で語ってくれました。

〈写真と言葉を組み合わせる苦悩〉
先に100枚の写真を作り、そこから読み札の原案となる言葉を付けてから考えられたこの写真展。写真と言葉を組み合わせる作業が大変だったそうで、「大まかに並べてから、どうしても納得のいかないものは入れ換えてみたりして………ギリギリで言葉を変えたりとかもしました」と苦労したことを教えてくれました。また、被写体となっているお子さんも一緒に読み札の内容を考えたとのことで、読み札も展示を楽しむポイントです!

〈3つの壁と3つのシリーズ〉
46音それぞれの役割を持った作品は、3つの壁面をうまく使ってシリーズ毎に分けて飾られています。
ギャラリー入口から向かって左側の壁は、子どもたち一人ひとりにフォーカスした作品群が、年代順に左から右へと並びます。子どもたちの成長が分かるような仕組みになっていて、一人ひとりの表情が豊かに表現されています。
次に入口の正面にある壁。ここには公園や緑に囲まれた外の空間で子どもたちが遊んでいる姿が展示されています。
そして向かって右側の壁には、左側の壁とは対象的に、2人または3人が映っている写真が飾られています。「遊んだり、食べたり、面白いことをしているものを選びました」。

〈柔らかな空間〉
展示を観に来廊した子どもと積極的に会話をする西川さん。優しい人柄が滲み出ていて、子どもたちも人見知りをせず大きな声を出して楽しんでいました。この子どもたちが楽しめる、自由に行動できるというのが、「こどもかるた」の魅力で、他の写真展と違う点です。作品にフレームを使わなかった理由と同じく、空間全体が陽だまりのような柔らかさを持っていました。

「子ども連れの方や、あまり写真に興味のない方にも観に来てほしいですね。子どもの写真の整理の仕方など、何でも聞いてください!」と、西川さんはメッセージをくださいました。
そのお言葉に甘えてぜひこの週末はギャラリーに足を運び、みんなで「こどもかるた」を楽しんでみてください。

【西川 善康 写真展「こどもかるた」】
会期:2017年7月28日(金)~8月8日(火)
平日:13:00~19:00、土曜:11:00~19:00、日曜:11:00~17:00
会場:gallery 176
http://176.photos/exhibitions/170728/