岸本 登巳子 写真展「輝く動物たち」

レポート / 2017年10月13日

至福の時間をくれた野生動物たちを見てほしい!

今回が初の写真展だという岸本登巳子さん。40代のときにスイス・ダボスのアルペンマラソンに出場した際、山岳地帯で高山植物を撮影したのがカメラを始めたきっかけです。初めての撮影は思うようにいかず、カメラの勉強をして翌年一眼レフを携えて再チャレンジしたのだとか。
そうこうするうち、師事する三輪薫氏について南極、アフリカ・ケニア、アラスカへ撮影旅に行くことに。以来、6年間にわたり何度も足を運び、厳しい自然の中で生きる動物たちの姿を撮影してきました。

グラントカゼルの写ったお気に入りの一枚の前で。この一枚を手元に残し、他の作品は友人・知人に贈るのだそう。「お嫁に出すような感覚です」と岸本さん。

写真左がアラスカの海で泳ぐシャチ。写真右がアフリカ・ケニアの国立公園で撮影した作品。複数の国立公園を巡り、動物たちの姿を写しています。

「食うか食われるかの世界ですが、皆必死に子育てをしています。あるゾウの群れは、熱射で弱った赤ちゃんゾウが倒れ込んだ周りを囲んで影をつくり、耳で扇いで涼ませていました。その後、群れは回復した赤ちゃんゾウと共にその場所を去りましたが、彼らは命を見殺しにしない。その上で、どこでどうすれば生きていけるか分かっているんですね」

会場には52点の作品が展示されています。よちよち歩くペンギン、美しい縞模様のグレビーシマウマ、振り返ってカメラをじっと見つめるグラントガゼル、どアップの迫力あるライオン、海の中を悠々と泳ぐシャチなど、自然の中で精いっぱい生きる動物たちのストーリーがあります。また、伊勢和紙にプリントした数点の作品からは、動物たちの毛並みや息づかいが伝わってきます。

伊勢和紙へのプリントについて話す岸本さん。師事する写真家の三輪薫氏が中心となって伊勢和紙のプリント作品づくりを普及しているそう。動物の毛並みが和紙の質感がマッチしています。

写真左がアフリカ・ケニアの動物。写真中央にあるライオンは、伊勢和紙にプリントされていて、毛並み1本1本の質感が美しい。写真右が南極。ここで出会ったペンギンの可愛さに惹かれ、動物たちを撮影するようになったそう。

「自然の中、自分たちの力だけで健気に生きる動物たちへカメラを向けるすべての瞬間が楽しく、幸せをもらいました。初めての個展。動物たちの姿を皆さんに見ていただけることが嬉しいです」

岸本さんにとってカメラは撮影時の幸せな気分を後からよみがえらせてくれる大切な存在。しかし撮影中のケガを機に遠出の撮影は難しくなったそう。今後は近場での撮影を中心に、自然や動物を撮影していきたいと語ってくれました。

至福の時間をもらった動物たちの役に立ちたいと、岸本さんは会場で展示作品の中から10種類のポストカードを作成し販売しています。売上の一部を自然保護団体WWFの野生動物を守る活動に寄付するのだそう。
ぜひ会場へ足を運び、岸本さんが至福を感じた動物たちの姿を楽しんでみてください。

ポストカードを手に。岸本さんが撮影してきた6年分の幸せが会場中に溢れています。

会場では、1枚100円のポストカード10種類が販売されています。売上の一部を自然保護団体WWFの「野生動
物を守る活動」に寄付することで、幸せな時間をくれた動物たちへお返ししたいのだと、岸本さんは教えてくれました。

【岸本 登巳子 写真展「輝く動物たち」】
会期:2017年10月10日(火)~10月15日(日)
10:00~19:00(最終日は17:30まで)
会場:GALLERY IZU
http://gallery.izu.nu/