~木版画のように深く軟らかなトーンが奏でるSONIC~
2室が連なった会場には、ゼラチンシルバープリント作品と映像作品が展示されています。リスプリント(Lith Printing)という技法を使って表現された作品は、まるで木版画のよう。シャドウ部分はどこまでも深く黒く、ハイライト部分はやわらかい光をたたえたトーンが特徴です。
安達ロベルトさんは、写真家であり音楽家でもあるアーティスト。「写真のシャドウとハイライトの関係は、音の高音と低音の関係に似ています」と言うとおり、作品を見ていると、明暗のコントラストが不思議なリズムを奏で、様々な音が聞こえてくるような気がします。
安達さんが作品づくりで大切にしているのは、自問自答するプロセス。具象を写しながら抽象を写しているのだそうで、時間や場所といった概念を超えた光景が画面に広がっています。
「曖昧に逃げず、自問自答するプロセスが大切だと考えています。私にとっての抽象表現は何かということを追求していったところに、モノクロフィルムをローファイで撮るという表現に突き当たりました。自己表現というよりは、俳句に近いでしょうか。シンプルな情報で見る人がいろいろ解釈したり連想したりするきっかけになればと考えています」
来年の2月と3月に展示を控えているそうで、今は準備に奔走しているとのことです。ローファイとリスプリントが創り出した作品を見に、ぜひ会場へ足をお運びください。
12月23日(日)19:30から、SONUS ギャラリーライヴ Soundscape Liveがあるそうです。
【安達 ロベルト 写真展 Solo Exhibition "SONIC" 】
会期:2018年12月11日(火)〜12月25日(火)
12:00~19:00(最終日は17:00まで)
会場:ギャラリーカメリア
https://www.gallerycamellia.jp/
安達さんのWebサイト
http://www.robertadachi.com/