若狭 政信 写真展「鶴の楽園 ―四季彩々―」

レポート / 2017年10月26日

四季折々の自然が織りなす、美しいタンチョウの姿!

道東の有名ネイチャーフォトガイドであり写真家の若狭政信さん。豊富な知識を生かし、北海道内の自然や野生動物を撮りたい人たちを絶好の撮影スポットへ導いています。
若狭さんが四十数年にわたり撮り続けている被写体はタンチョウ。天然記念物のタンチョウ(丹頂)は、その名の通り頭頂部の赤が特徴です。かつては絶滅の危機に瀕していましたが、地元の人々や行政などの努力により今では1,700羽まで回復。従来の生息地である釧路湿原を中心に、根室、十勝へと生息域を広げています。

タンチョウの魅力について熱く語る若狭さん。北海道の気候に慣れているため、東京は暑くて半袖姿なのだそう。
「仕事で風景写真も撮るけれど、構図など難しいよね」の言葉に、「その風景にタンチョウが入ると…」と聞くと、「最高ですね!」と満面の笑みで答えてくれました。タンチョウへの愛を感じます。

「僕が撮り始めたころは300羽くらい。休日のたびにカメラを持ってタンチョウを探し、1~2組の番(つがい)を撮影していました。当時は望遠レンズを買う余裕がなかったので、撮影はもっぱら手持ちの標準レンズです。タンチョウをアップで撮る人たちの中、僕は周りの風景も含めて撮影していました。でもそれが良かった。自然の変化にあわせてタンチョウの新しい魅力に出会います。だから400mmの望遠を持っている今でも、引いて撮ることにこだわっています」

SLで有名な北海道・新得町で育った若狭さんは、かつてはカメラとSLが好きな“鉄ちゃま”だったそう。釧網本線のSL撮影の帰りに撮った一枚の釣り船の写真に、タンチョウが写っていたことが魅了されたきっかけだと言います。
会場に並ぶのは、大きくプリントされた約50点の作品。白いモヤのかかった雪原に立つタンチョウ、夕暮れになり寝床の音羽橋へ集まるタンチョウの群れ、桜の前を悠々と歩く番(つがい)、巣づくり・子育てをするタンチョウの家族など、さまざまなタンチョウの姿を楽しめます。

会場には色鮮やかな北海道の自然と、タンチョウの姿を写した作品が並びます。北海道では一年中タンチョウを見ることができます。主に湿原や湖沼に暮らす。北海道・釧路管内では最上位に位置し、オオタカとも互角にわたり合うほどだそう。

タンチョウは夫婦愛が深い鳥で、番(つがい)になると死別するまでずっと一緒なのだそう。2羽が常に共にいる姿はほっと心が温かくなります。中央の作品にはヒナも写っていて、子育ての様子が分かります。

「タンチョウは終わりのない被写体です。富士山のように人を惹き付ける何かがある。今後も、タンチョウと北海道の自然が織りなすさまざまな世界観を映し出したいです。また、フイルムで撮影していた頃では撮れなかったシーンを、デジカメで撮り直したいですね。僕のフィールドは、最後までタンチョウです」

最近、アップを撮りたくてタンチョウに近づく人がいるのだそう。「タンチョウたちが暮らす楽園を守るためにも、ストレスを与えないよう影からそっと撮影しましょう」と若狭さん。確かに、若狭さんの作品を見ていると、周りの自然を入れることで、よりタンチョウの魅力が伝わってきます。

最近は撮影ツアーを機にタンチョウの魅力にハマる人が増えているのだと、嬉しそうに話す若狭さん。
タンチョウに興味のある方、若狭さんの撮影秘話を聞きたい方はぜひ、会場へ足をお運びください。

毎日多くの方が来廊されています。日本を象徴する鳥として、親しまれているタンチョウ。大きくプリントされているので、タンチョウだけでなく、周りの自然も含めてじっくり楽しめます。

【若狭 政信 写真展「鶴の楽園 ―四季彩々―」】
会期:2017年10月25日(水)〜11月6日(月)
10:30~18:30(最終日は16:00まで)
会場:リコーイメージングスクエア新宿(火曜定休)
http://www.ricoh-imaging.co.jp/…/squa…/2017/10/20171025.html