小林 キユウ 写真展「drone miniature photo」

レポート / 2020年2月3日

~ドローン写真とミニチュアで作られた、小さくて大きな世界~

drone miniature photo(ドローン・ミニチュア・フォト)は、ドローンで海や山の実景を空撮したスチール写真とミニチュア人形を組み合わせた、小林さんが考案された今までにない写真の新しい表現方法。

もともと動画を撮る目的でドローン撮影をはじめたという小林さんに、作品制作のきっかけなどお話をお伺いしました。

「実際にドローンを飛ばしてみると、写真は地面に足をつけて撮るものだという常識が吹き飛んでしまいました。20年以上の写真経験で、こうすればこういうものが撮れると分かっていたことが、地上から見えるものと上空から見る世界はまったく違い、 シャッターを押すのも忘れてしまうほどの驚きがあり、おもしろいですね。

水平目線や斜俯瞰で撮ると、向かいの山など見晴らしのよいところで撮ったのではと、人に見せてもドローンで撮ったものだと分かってもらいにくいなか、唯一ドローンでしか撮れないものが真俯瞰だなと。差別感を出すためそればかりで撮っていたのですが、平原や湿原などでは比較対象がなく、実際のサイズ感が分かりにくいと思いました。

ある時、サイズ感を人形で出せるのではと、たまたま自宅にあったミニチュア人形を置いてみると、たちまち立体的な世界に。写真の平面世界から外へ飛び出すことが好きなので、それにアクリルパネルをはめてみました。(一番上の写真の小林さんの右後方に展示されている作品が、はじめてつくられた作品)

作品作りで使われている風景は、長野出身の小林さんが土地勘のある八ヶ岳周辺が多いとの事。また撮影前にはグーグルアースの3D画像などで、イメージをじっくりつかむとお聞きしました。

それをもう一歩独自にできないかなと考え、一眼レフで撮影して完成形に。昨年、作品制作が雑誌(『フォトテクニック・デジタル』2019年8月号)にも掲載され、反響をいただきました。
作品撮影時は、ミニチュア人形をより馴染ませるために、背景のドローン写真と太陽光の角度を合わせて人形に光を当て、立体感を出すようにしています。仕事で料理写真を撮ることが多いので、ライティングは通じるところが多いですね」。

撮影素材について、様々な風景はドローンで撮った写真をA4にプリントしてストック。人形は完成度で言ったら一択しかないというドイツのプライザー社のものを使われているとのこと。撮影時は、風景のA4のプリントを物理的に直角に折り曲げたり、カーブをつけたりなどの手法があるとのこと。試行錯誤の中で生み出したとお聞きしました。

「写真でミニチュアと言えば本城直季さんで、はじめて見たときはすごいなと思いましたね。僕もずっとミニチュアが好きだったので、ドローンでこういうのもあるかなと。映画を撮るようなドローンと違い一般的なものは、35㎜換算で24㎜ぐらいの広角のレンズがセットされているだけで、なかなか写真としてのオリジナリティは出せません。ドローン撮影の表現方法の一つとして、もっと確立していきたいですね」。

A4というサイズの中に、心の風景を造形したような新しい世界。鳥の目線で撮られたドローン写真の中に自分もいるような、不思議でおもしろい写真展。ぜひ会場へ足をお運びください!

会場では「drone miniature photo」のカレンダーも販売されています。

【小林 キユウ 写真展「drone miniature photo」】
会期:2020年1月29日(水)~2月3日(月)
11:00~19:00(最終日17:00まで)
会場:アメリカ橋ギャラリー
https://americabashigallery.com/2020/01/drone-miniature-photo/

小林さんのWebサイト
https://yatsugatake-weekender.localinfo.jp