~面白い試みのコラボレーション写真展~
山岳写真家菊池哲男×山岳スナップ武井眸 二人展という、面白い試みのコラボ写真展にお邪魔してきました。長年国内外の山の写真を精力的に撮り続ける菊池さんと、出張撮影を中心に活動する武井さんという、フィールドが違うお二人。今回の作品を撮られるようになったきっかけなどを武井さんにお聞きしました。
ー菊池さんに同行して撮られるようになったきっかけなど教えてください。
菊池さんが撮られた作品はあまり知らなかったのですが、書かれた本の中の文章に惹かれ書き留めていました。その数年後(菊池さんに)直接お会いする機会があり、あのように考える人を撮ってみたいと思ってお声がけしたのがきっかけです。
ー学生時代などに登山などをされていたのでしょうか。
社会人になってからですが。山の道具、冬山の道具一式を持っていて、ゼロからだったらさすがにあきらめていたと思います。
ー菊池さんを追い撮影する中で、最初の印象から変化していったことなどありますか。
変わりましたね。没頭する人というテーマで撮り始めたのですが、追っていくうちに“没頭”ではなく、 (菊池さん からは)包み込むような感じを受けました。“没頭”というと、力強さといった印象がありますが、とてもあたたかく。自分(武井さん)とも同じ目線でいて、被写体への向き合い方も対等な立ち位置で関わっていかれています
山とスナップって、正直最初は山は動くものではないしと思っていたのですが、人に対して撮るときの姿勢と同じだなと思うようになりました。写真展では、写真だけでなく文章を添えたのは、写真だけだと弱いと感じたのと方向性を出したいとな思いました。
ーそれは、普段撮られている中で感じたことだったりするのでしょうか。
そうですね。(撮る中で)菊池さんを見て感じることだったり、菊池さんの撮り方を見て思ったこと。日常の中で忘れそうなもの、思い出させるようなもの、それは菊池さんからも感じています。
ー見る人も山だからとか非日常な世界だからと構えずにということでしょうか。
私の写真を見てから菊池さんの作品を見てもらうことで、今までに見たことのある人も違った観点で見られたり、知らなかった魅力に触れてもらえると期待もしています。なので今回の話があがる前から、ずっとコラボをやってみたいという気持ちがありました。
2019年の夏から今年の3月に撮られたという写真と「そのときに思ったことや感じたこと、菊池さんから感じたことを言葉にした」という文章とのコラボレーションでもある武井さんの作品。それは菊池さんが山を撮る中で感じている瞬間と、武井さんの人へ寄り添っていく視線との融合の結晶でもあります。次作への意欲もお聞きして、今からそちらもとても楽しみです!ぜひ会場へ足をお運びください。
【山岳写真家 菊池哲男×山岳スナップ 武井眸 二人展
菊池哲男「八ヶ岳 〜凍てつく岩稜と森〜」
武井 眸「あるがままに 〜ある山岳写真家の自然との対話〜」】
会期:2020年9月11日 (金) 〜17日 (木)
平日 10:30~19:00
土・日 11:00~17:00(最終日14:00まで)
会場:富士フォトギャラリー銀座
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/
菊池さんのWebサイト
https://www.t-kikuchi.com/
武井さんのWebサイト
https://hitomitakei.wixsite.com/photo