~光と影を纏う繊細かつ美しい山の表情に、心しみいる世界~
写真を撮られるようになったきっかけについて、小学生のときに読んだギリシャ神話で星に興味をもち、学生時代に乗鞍岳で見たペルセウス座流星群が決定打となって、いつか星を撮ってみたいという気持ちをもっていたという佐藤さん。
転機となったのが、子育てが一段落したタイミングのときに受講されたニコンカレッジで、お気に入りの写真集『山の星月夜』の山岳写真家 菊池哲男さんについていけば星が撮れる!と思い、菊池哲男さんが顧問を務める写真クラブに入ることを決断されたことだそう。当初は登らないで撮れるところからはじめていたのが、撮影ツアーに参加するうちに登ることに。
今回の写真展は「燃え尽き症候群になったらどうしよう」と、2年前の2017年に「桜の時期の4月に写真展を開こう」とこちらのギャラリーに予約をされて目標とされたのがきっかけとのこと。
「その2年間で自分の意識も変わってきて、写真展のタイトルでもある“Delineation”ラインを描くという意味ですが、自分の特徴としてそのラインと、写真の原点である光と影を大切にしています。そして魅了されている“穂高・槍”の光と影のライン、この“Delineation”の世界をもっとつきつめていきたい」と話してくださいました。
佐藤さんが撮りたいものを撮るために、目標に向かって着実に前進して挑まれていく姿勢は、お話を伺っていて私も元気をたくさんいただき、帰り道は足どりが軽くなったほど。
光が形づくる山の造形と、それらを構成する線で表された作品からは、きびしい山の表情がもつ強さだけでなく、どこかあたたかい気持になるのは、佐藤さんのお人柄からくる優しい目線が感じられるからかもしれません。ぜひ会場へ足をお運びください!
【佐藤 雅子 写真展「Delineation」】
会期:2019年4月19日(金)~4月25日(木)
平日 10:30~19:00
土・日 11:00~17:00(最終日14:00まで)
会場:富士フォトギャラリー銀座 スペース1
http://www.prolab-create.jp/gallery/ginza/