小澤 太一 写真展「いつものいえ」

レポート / 2020年12月4日

~当たり前じゃなくった日々、単なる繰り返しでなく、日々撮っているからこそ生まれる物語~

小澤さんとモロッ子ちゃん。お二人とも全日在廊の予定とのこと。
モロッ子ちゃんは疲れてお昼寝タイムもあるかも♪

小澤さんの娘さんモロッ子ちゃんの、保育園の行き帰りだけを追った「いつものみち」のシリーズ続編となる「いつものいえ」。コロナによる緊急事態宣言が発令された4/7~5/25を中心に、家の中だけという限られた世界でモロッ子ちゃんを追った、オールモノクロ40点の作品が展示されています。

今まで親が言ってやらせていた歯みがきを、自分ひとりでやると言ってやり始めたという、貴重な瞬間の写真など。家の中だけとは思えないたくさんのシーンと表情を見ることができます。

ー毎日子どもさんと向きあい撮っていく中、飽きてしまうなどありましたか?

それは全然ないですね。年齢的なものもありますが、新しい発見や子どもにとって自分でできることがどんどん増えているので、その(決定的)瞬間に立ち会い、撮ることができ残せるというのは、身近にカメラがないとできませんし面白いです。

ーコロナの影響で家にいることが多くなったため見れるようになった一面ですね。

それは思いますね。コロナの前までは仕事があって外から帰ってくると、お母さんが今日はこういうことがあったんだよ、というのを聞いて「えらいね~」と褒めるだけだったのが、今は自分の目の前で一緒に共有することができています。男親では珍しい経験だねとよく言われますし、それぐらいお父さんが暇だっていう!(笑)

ー今回は前回と違い全点モノクロにされていますが、何か理由があったりしますか?

場所がいつもより狭い場所(家の中だけ)になり、もともとキツいなと思うところにプラスして、モノクロで色の表現をできなくする。よりキビシくするとどうなるだろう?!という怖いもの見たさでやってみました。
なるべく雁字搦めにして、狭い範囲の中で何を見ていくかという、日々のチャレンジですね。今までのように夜帰ってきて(子どもが)寝るまでの間だとできなかったことが、今は時間だけはたっぷりあるのでたくさんチャンスがありました。

右側の額のマット部分のイラストは、 モロッ子画伯の描き下ろし!
そのモロッ子画伯、自分のお絵かき帳を何やらじっくり見ています。

ー前回は保育園の行き帰りという条件がありましたが、制約的なものを設けられるのは?

何かをまとめようとしたとき、技術がある方は撮るときからできたときまでのプロセスを見越した上で、いろいろなことができると思いますが、僕にはそれがないと思っています。ない人がキチンと濃くなるものにしていくには、できるだけシンプルに削ぎ落とした方がいいと思いますし、そこから出てくるものの答えはおそらく一つしかないけれど、濃いものだと考えています。

ー日々チャレンジの積み重ねですね。

だから面白いんです。(写真を)職業としてやっている以上、職業なりの人と違うやり方はなんだろうなと考えていますね。

ー子どもさんの誕生を機会に写真をはじめた、上手く撮るのが難しいといった話をよく耳にしますが…。

お子さんを撮られている方は多いですし、みんな何らかの形(写真展など)にしたい思っていると思います。実際そういう話をいただくことも、話として聞くことも多いです。
僕が写真教室の生徒さんにも同じように言うのですが、自分の撮っているものをただ撮るだけでなく、伝えるためにはいろいろな情報をそぎ落としていくべきです。撮る時間帯でもレンズの制約でも何でも良いのですが、厳しいことがあればあるほど、出てくるものはそれにのっとったものになると思います。

ー海外へ行けない状況が続きますが、次回作の構想などは考えていらっしゃいますか?

海外へ行くプロジェクトがいくつもありますが、今動かせない状態です…。コロナで仕事も暇で、子どもと親娘ふたりで、車で目的地も決めずに長期の旅をしてます。ぐらい暇です(笑)最初は緊急事態宣言が開けた後の7月に東京から西日本を二人で10日ほど旅してみたんです。これが面白くて、次には北海道と東北を車で1ヶ月、旅することにしました。娘は旅の間に突然、車窓に見えるひらがなを読めるようになったりして、こういうのも何かいいなって思いました。僕自身も旅している中で新しい日本を見つけたり、写真ももちろん撮っていますし、これからどういった形でどう発表するか悩むところです(笑)またこの前、京都で写真展をやった時には、じっくり娘と京都滞在を楽しんだりもしました。

こんな写真撮りたい!と思わせる、見ているこちらが愉しくなる作品の数々。こんな時あったなぁとノスタルジックになったり、子どもって全身で生きてるなと感じたり。コロナという未曾有の事態の中、たくさんの写真家さんたちがいろいろなアプローチで作品作りをされていますが、ある意味一番今年らしいかもと思いました。子育てに悩んでいる方も、毎日気を使って働いている人も、元気をもらいにぜひ会場へ足をお運びください!

「いつものみち」にあわせてつくられた、とっても分厚い非売品の写真集。
ぜひ会場でじっくり見てください。

写真集『ナウル日和』『SAHARA』タイミングによってはAmazonでは在庫がなかったりしますが、会場で購入することができます。サインも落款印もいただけるとのこと。

小澤さんが3回の連載を通じて映像制作を学ぶシリーズが、YouTubeで配信されています。
「僕にとってはじめての経験でしたし、動画というもの自体、どういうコンテンツを作ればいいのか分かっていなかったので、難しかったです。写真とは全然違うツールなんだなというのをすごく感じましたし、面白かったです。話をいただいた時に、事前に勉強した方がいいですか?と聞いたところ、一切勉強していない方がいいです」というエピソードもお聞きしました。
3回目ももう収録されていて、12月中にはそちらが配信されるのではとのこと。こちらもお楽しみに!

【小澤 太一 写真展「いつものいえ」】
会期:2020年12月1日(火)~12月6日(日)
12:00~19:00(最終日16:00まで)
会場:Roonee 247 Fine Arts
https://www.roonee.jp/exhibition/room1-2/20201022121611

小澤さん Webサイト
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