~膨らみかかった蕾を見守っている時のような、未来への“希望” を感じる写真展~
以前こちらのピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道での初個展をご紹介したこともあるshin ikegamiさん。 此程 Sunny Lee さんとの二人展をされるとのことで、お邪魔してきました。
ー二人展をされることになったきっかけなど教えてください。
shin:彼女とは性別・年齢も関係なくフラットに付き合い続けている10年来の友人です。写真に出会う時期もきっかけも違いますが、昨年彼女の作品を見た時にグッときて、それは彼女の家族が亡くなったという時期に撮られたもの。そういった背景は全く知りませんでしたが、作品を見る手が止まらなくなり、「一緒にやってみよう」と提案しました。それが去年の1月のこと、当初はもっと暗い感じでの展示を考えていましたが、コロナの影響で世界全体が暗くなり、「自分たちは展示で何をやりたいのか」についてたくさん話し合いました。
今回、写真のセレクト、ディレクションなどすべて僕に任せてもらいましたが、作品と作品との間隔も、フィジカル的・精神的な距離を意識して、プリントサイズなども決定しました。作品の展示位置をあえて低くしているのも、目線を下げることで他の鑑賞者との視線がかぶらないように、見る人が無意識なストレスを感じないようにしています。
Sunny:展示されている作品の中にもありますが、父が亡くなり葬儀のあと海洋散骨があり、そういった中でも淡々と作品を撮っていました。shinさんと話していて、「これいいね」とピックアップされる写真は不思議と、何か出来事があったりしたときのもの。初めての写真展がそんな暗いものでいいのだろうかと思ったりはしましたが、終わりがあって始まりがあるということが、自分の中へとつながっていくようにも感じますし、見る人にも希望がみえるような流れを感じてもらえればと思います
shin:写真展を作るという意味でもいろいろな表現方法がある中で、状況を踏まえ人に寄り添っていくということを、この1年で学べたと思いますし、今回はコロナの中でこそできた写真展だと思います。自分自身も一歩踏み出せたという気がしています。
ー作品を拝見してお二人の作品が似ていると感じるのは、自分の中の世界を凝縮して表現していることだと思いました。
shin:今回彼女とじっくり話していて、自分の手のひらにのるものからまず理解をしていこうという姿勢が共通していると思います。また写真に正直であるということが作品にダイレクトに表現されているかもしれません。
ー今回 Sunny さんにとっては初めての写真展ですが、何か感じられたりしたことはありますか。
Sunny:展示するということへの答えはまだ見つかっていませんが、こうやって写真を通して出会いや会話があることは素晴らしいと感じています。
今回会場では、パリ在中の音楽家外山舞さんに、作品をイメージしてのプレイリストを作ってもらったという、ラヴェル・ショパンなどのクラシック音楽が流されています。
お二人それぞれが撮られた作品は寄り添い、離れまた程よい距離を保ち、ゆるやかに時を紡ぎ続けているかのよう。またそれは鑑賞する者へ、心休まる穏やかな時間というギフトを届けてくれるようです。 明日への“光” を見出す、作品、音楽、花、光のコラボレーション、ぜひ感じてみてください。
【Sunny Lee、shin ikegami 写真展 「 ふたり 」】
会期:2021年 2月10日(水)~2月14日(日)
11:00~17:00
会場:ピクトリコ ショップ&ギャラリー表参道
https://pictorico.jp/press-release/detail/665/
Sunny LeeさんのInstagram
https://instagram.com/inti.lee
shin ikegamiさんのWebサイト
https://shinikegami.com/work