~光の経路を視覚化し物質に落とし込んだ作品~
太陽の光のグラデーションを表現した「Light navigation」シリーズなど、光をテーマにした作品を発表している写真家の片桐飛鳥さん。同様に光をテーマに2009年から手がけている「21_34」シリーズは、花火の軌跡をとらえて目に見える形で提示するもので、個展形式としての発表は初めてだそうです。
会場には、タイトルどおり「21インチ×34インチ」にプリントした7点の作品が展示されています。「21_34」とはフィボナッチ数列の隣り合う二つの数字を用いて、限りなく黄金比に近い長方形をつくりだしたもの。その枠内に、美しく繊細な絹糸のように、あるいは力強く躍動する生き物のように、光の軌跡が視覚化されています。
「光を観ることは、物質の振る舞いを決定すること。物質へ情報を移すこと。」(ステイトメントより抜粋)
片桐さんの示す物質のふるまいとは光子のふるまいのこと、物質へ移すとはプリントすることだと、折笠さんは解説してくれました。
2009年から手がけているこのシリーズは、片桐さんにとって「光の彫刻」と位置付けられているそう。イメージを形に掘り出していく彫刻のように、片桐さんは花火にレンズを向けることで目に見えない光の経路を視覚化し、物質へと置き換えているのかもしれません。
ぜひ会場へ足を運び、視覚化された光の経路をお楽しみください。また、会期の最終日2月23日(土)には、昔から片桐さんの活動を見続けてきたという東京都写真美術館 学芸員の石田さんとのトークイベントがあるので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょう。
【片桐 飛鳥 写真展「光と今ーPhoton Superposition」】
会期:2019年1月19日(土)~2月23日(土)
火~金 13:00~20:00/土 12:00~19:00
会場:KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY(日・月・祝休廊)
http://www.kanakawanishi.com/exhibition-ph-008-asuka-katagi…
【トークイベント】
2月23日(土)17:30~ 石田哲朗(東京都写真美術館 学芸員)×片桐飛鳥(アーティスト)