~写真表現のおもしろさや新しい発見に出会える写真展~
国内外で活躍する作家たちの作品を展示、販売されているリコーイメージングスクエア銀座で、新たな作家との出合いというテーマの展示も今年で7回目。毎年この写真展を楽しみにされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。アドバイザーの池永さんにお話を伺ってきました。
―今回展示されている6名の方について教えてください。
できるだけ写真展に足を運び「これはおもしろいな」というものを探していますが、一番大きいのは「御苗場」ですね。あと「KG+」など、いろいろ行っています。若い作家には常に興味を持っていて、普段から積極的に見に行くようにしています。ネットで探すことも多いのですが、今回はリアルに足で探しました。
去年は「パリフォト」「フォトフィーバー」にも行き、そこでウチハラマサトさんと澤田公仁さんの作品に出合い、いい作品だなとインプットされていたのが、御苗場に行ったらまた再会できて嬉しかったですね。
ウチハラさんの作品は完全に騙されてしまい、深海で撮った作品なのかなと思っていたら、クラフトで作ったものを撮って作品にされている。写真の切り口としたら異色なのですが、おもしろいなと。澤田さんは光と影をおもしろい視点で撮っている、と決めました。
中村 晃さんは、「ベスト・オブ・モノクローム」で展示された永嶋さんの紹介で知り、グラフィックデザイナーが写真を撮るとこうなるのだなという、写真家とは違う視点でとらえていて新鮮でしたね。
森 英夫さんはもともとペンタックスのカメラを使っていて、「リコーイメージングォトコンテスト 2017 」のグランプリを取られた作品のシリーズを今回出展してもらいました。
清水貴子さん、谷川真紀子さんは御苗場で見つけました。最終日にエプソン賞をとった谷川さん、マイブック賞をとった清水さんと直接話すことができ、そこで決めることができました。
御苗場だけになってしまうとバランスが悪くなるというか、それ以外でのちょっとした出会いをいかして、展示を見に行って新しい世界に出会えておもしろいなということを大切に、作家を探すようにしています。
―展示自体のバランスやイメージの統一など考えていらっしゃいますか?
そうですね。まずは作家性が強いということ。そして展示を考える上でいつも基準にしていることは、「見に来た方が喜んでくれるということ。こんな新しい世界があるんだ、見に来て良かった」と思ってくださることを念頭においています。不思議なことに作家が決まった段階で見てみるとバランスがいいなと毎回感じています。
作家の持ち味は違うのだけれど、コンセプトがしっかりしているので、それぞれが響き合っていいかたちになっていると思います。
―作品を販売されるギャラリーとして意識していることはありますでしょうか。
作品を購入したいというニーズは増えてきていると思いますね。最近は小さいサイズの作品も用意して、どうしたら売れるのかなというのは、いつも模索しています。
日本では写真を、「撮る楽しみ」「見る楽しみ」という二つで主に構成されているのだけれど、撮ってセレクト・編集して、写真集の制作、写真展の構成を考えたりという、撮ったあとのどう発表するか、どう見せるかという、あとの世界を考えて活動している人は、撮る人口に比べて少ないと思いますし、それがこれからの課題と思っています。
写真と向き合える人が増えていくと、写真世界全体がHappyになるはずですし、これからもこういったことを発信していきたいと考えています、と池永さんの熱い思いをたくさん伺いました。
一人ひとりの個性のおもしろさや、写真だからこその表現や視点、またそこから感じるものを大切にしたいと思える写真展!会場へ足をお運びください!
【写真展「A.W.P Selection 2019-次世代を担う写真家たち-」】
会期:2019年6月19日(水)~2019年7月7日(日)
11:00~19:00(最終日16:00まで)
会場:リコーイメージングスクエア銀座(火曜定休)
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/community/squareginza/schedule/event_detail_63.html