荒幡 信行、石田 研二、田村 拓也 写真展「Infrared Photography THREE-PERSON-EXHIBITION」

レポート / 2019年9月21日

~3人の写真家による赤外線写真の競演!~

会場にて、石田さん(左)、 荒幡さん(右)。

人間の目では認識できない赤外線を撮影する赤外線写真。その赤外線の世界を魅力的に表現する3人の写真家たちの写真展。普段自分の目で認識していない光を取りこんだ作品は不思議で魅力的、思わず目を奪われます。
在廊されていた荒幡 信行さん、石田 研二さんにお話を伺ってきました。

「僕たちは赤外線写真を撮る友人同士で、 たまたま年長である私 が『やろう!』と声をかけたのがきっかけですね。二人はモノクロ、一人はカラーの作品展になります」と、石田さんに伺いました。

石田さんの新作は、6月に撮られたというコントラストで表現された迫力のある阿蘇の作品。以前取材させていただいた『Infrared Photography 2018 赤外線撮影の世界Ⅵ‐形』とはまた違った、海外のようなドラマチックな雰囲気があります。

ステートメント

石田さんから機材や赤外線写真にとても詳しいとご紹介していただいた荒幡さんは、人物をメインとするカメラマンとして活動されていたのが、30代ですっぱりと写真を辞められ、他の職業に就かれたとのこと。しかし2008年に魚住誠一さんが主宰する合同写真展『ポートレート専科』に出展したいという熱い思いで、オーディションに応募され見事合格。翌年もと思い、自分の中では最高と思う作品で応募したけれど落選。

4Kモニターで映し出される赤外線写真の世界。

その悔しさをバネにその翌年の『ポートレート専科』の展示を目指し、
「最高と思う作品を持っていったので、これ以上何か作品にスパイス的なものを求めた時にどうしたらいいのだろうと、フィルム時代に撮影したことのある赤外線写真でトライすることにしました」。
しかし赤外線フィルムは製造されておらず、カメラを自分で改造され、
「仕組みを一から理解して、どうやって撮っているのか、人に説明できるようにしたかったので、挑戦しました。そこから全部で8台のカメラを作り、人の肌が一番キレイに見える波長を求めて研究をしました。それが640ナノメートルという光の波長になります」。
「今では、赤外線写真ですが、フルスペクトルという光線の波長の全域を使ったポートレートを撮っています」。
人の肌が美しく見えるよう波長を研究し撮られる作品は、生きているものがより魅力的に見える世界が広がっています。赤外線写真のカラー領域を求めつづける荒幡さんの作品の進化が楽しみです。

石田さんが主宰されている赤外線写真のワークショップです。
ご興味がある方はぜひ!

作品性や表現したいものがそれぞれ違う3人の写真家による赤外線写真の競演!非常に見応えがあります!ぜひ会場へ足をお運びください。

【荒幡 信行、石田 研二、田村 拓也 写真展「Infrared Photography THREE-PERSON-EXHIBITION」】
会期:2019年9月18日(水)~9月28日(土)
9:30~17:30(最終日16:00まで)
会場:EIZOガレリア銀座(日曜・月曜定休)
https://www.eizo.co.jp/galleria/ginza/event/