~役目を終えてなお美しい植物の命の証(あかし)をとらえたピンホール作品~
星星峡は、多磨霊園駅・白糸台駅から徒歩約7分、甲州街道沿いにある、ショップとギャラリーを併設したカフェです。自身も写真作品を発表している舩橋直世さんが「ギャラリーの少ない府中市でアートを楽しめる場を作りたい」と昨年4月にオープン。カントリー調のおしゃれな店内で、ランチやカフェを楽しみながら写真などの展示を見れるとあって、女性客を中心に憩いの場となっています。
国内外で人気の針穴(ピンホール)写真家である大木靖子さん。作品づくりの根底にあるのは「自分の目で見ることのできない世界を見てみたい」という好奇心。液体の入ったグラス越しに見える光のキラメキを写した「グラスのなか」シリーズや、ペットボトル越しに流れる車窓風景を捉えた「ペットボトルと旅」シリーズなど、ピンホールに被写体を密着させることで通常の目では見えない光の屈折やゆらめきを集めた世界観が特徴です。
今回の展示「ひとひら」シリーズは、まさに好奇心のまま道端に落ちている葉や花びらを光に透かして見た世界を切り取ったもの。
「親の病を通して人の生き死にというものを考えるようになっていた2010年頃、ふと落ちている葉っぱに目が止まり、役目を終えた後も美しい姿を〈生きた証〉として残してみたいと思いました。ピンホールを塞ぐように葉や花びらを密着させ、その場の光に透かすように撮影することで、葉脈を流れる水の光や花びらの細かな粒子のキラメキが不思議な模様となって現れます。自然からのいただきものですね」
会場には、「ひとひら」シリーズから桜や椿をモチーフにしている作品13点をセレクトして展示。カラーフィルムのピンホール写真ならではの柔らかな光の表現や、役目を終えてなお美しい姿で私たちの目を楽しませる植物の命の証を見て心を癒されたい方は、ぜひ会場へ足をお運びください。
15時頃まではランチのお客様が多いそうなので、ゆっくり見たい方は15時~17時のカフェタイムがオススメです。
【大木 靖子 写真展「ひとひら」】
会期:2019年1月7日(月)~2月4日(月)
11:30~21:00(金・土・祝祭日前日は23:00まで)
会場:星星峡(水曜定休)
http://seiseikyo.com/
supported by Roonee 247 fine arts