【パリブログ Vol.10】「内装工事進行中」

パリブログ / 2020年1月23日

パリの年明けは比較的おとなしい。Noël(X'mas)が日本でいうお正月にあたり、年始は年越しこそカウントダウンのイベントが行われるがすぐに日常が始まる。
もっとも、今年は12月から続いているストライキのせいで何かどんよりとした年明けではあった。ようやく1月も中旬に差し掛かる頃に交通は回復してきた。とはいえストライキが終わったわけではなく、月末の政府の発表次第ではどう転ぶかわからない状況のようだ。

毎日3〜4人ほどで作業をしてもらっている。アフリカ系の若者が中心

さて、ギャラリーの方はというと昨年末から工事が始まり、現在は職人がギャラリーに入って、作業を進めている。基本的には大きく手は加えず、以前使われていたものを撤去して、壁や床などを新しく綺麗にする。それから、ギャラリーとして使えるように設備を入れていく。

工期は約2ヶ月間という“約束”だが、果たして我々の工事はどのくらいに終わるのか……。怖くもあり、楽しみでもある。

工事が始まってからの懸念材料もいくつかある。

1つは、水道工事だ。
現在は、我々が借りた物件の地下に水源があり、そこから配管が一本トイレに来ている。配管は垂直に壁を貫通して、共同スペースの玄関に伸びる。そこから、アパートの各部屋に水を供給しているのだ。
我々が借りた物件にはトイレにしか水場がないので、一階にその水を持ってきたい。それなら一階に来ている水道管を繋いだら早いと思ったのだが、ここは共同スペースのため、工事する場合は、アパート全体の組合に許可を得る必要がある。

アパートの管理者とアパートの建築家と話し合いをしたところ、「公共の設備には触れずに、地下のトイレから穴を空けて地上まで上水道と下水道をつないでください。難しい工事じゃないよ」とのこと。

それで施工会社にこの話をすると、「詳細な図面もないのに、穴を空けたってどこに穴が開くかわからないじゃないか」「天井が落ちるリスクもあるかもしれない」と納得いかない様子。本当に人によって、言うことが全く異なる。ひとまず直接連絡を取り合ってもらうことにしたのだが、果たしてこの工事は無事に済むのか。

なぜかアパート全体の水源がある地下のカーヴ

もう1つは、フランスでは建物のファサードに手を入れるときには必ず役所への申請が必要とのこと。それが例え同じ色でも、基本的には申請が必要なようだ。想像いただけると思うが、フランスの役所仕事は極めて遅い。申請関係は数ヶ月待たされる。
ファサードの申請については、役所に何度か足を運び面倒なフランス語の書類をやっつけてなんとか提出できた。ただ、その返事が「1ヶ月以内にこちらから連絡がなければ問題ないということです」というなんとも気が抜けるよう回答。1ヶ月のロスは正直痛いが、一応想定の範囲内なので、施工会社と相談して3月上旬くらいに終わればいいほうだろう。

こちらが事務関係を進めているうちに、職人は一所懸命作業をしてくれているはず、なので彼らの手が止まることのないように、こちらも舵取りをしていきたい。

壁の修繕が終わってから床材や壁材を入れていく