hiro 「令和循聖」インタビュー

2019年9月11日

hiro作品展「令和循聖」が京都写真美術館 ギャラリー・ジャパネスク2F「花」で2019年9月3日(火)から9月29日(日)まで行われているのでレポートをお届けいたします。※京都岡崎 蔦屋書店 パークプラザ3階 共通ロビーにて8月27日(火)から9月29日(日)まで「令和美麗」を開催。京都2会場にて同時期開催しております。

Q.今回の作品展名「令和循聖」の由来を教えてください

寺や神社といった神聖な空間は、心が浄化される場所であり、英気を養うことのできる特別な場所です。東京を拠点に活動していた時は毎年初詣に明治神宮を訪れており、今回の作品展を開催するきっかけの一つとして、平安神宮という京都の誇る文化遺産が最寄りにあるということでした。今年は改元の年でもあり、今回の作品展の開催が決まったのも改元以降です。運命、縁といった人智を超えたものに惹かれて、神の思し召し、啓示に循いたい(したがいたい)という思いを込めて、今回の作品展のタイトルにしました。

Q.蔦屋書店開催での作品展「令和美麗」とのコンセプトの違いはどのようなものですか?

「令和循聖」の作品は、抽象的な仕上がりにし、より神々しさを加えるように観念的な表現にこだわりました。より難解な印象を感じさせるのではないでしょうか。「令和美麗」は鑑賞者にとってわかりやすい表現を心がけました。

Q.どのような鑑賞をしたらよいでしょうか?

鑑賞者自身にお任せします。個々の作品20点は独立しているので、それぞれ各人の解釈に委ねたいと思います。写真だけじゃなく、映像、音楽を含めて空間を楽しんでほしいと思います。

Q.hiroさん独特のカラーリングについて教えてください。

エメラルドグリーンは私にとって格別な色です。森羅万象に宿る生命力やエネルギーを感じ取ることができるのは、このような色だと考えています。今回の画像は、エメラルドグリーンの要素、「青」や「緑」を基調としてそれらの補色「黄」、「赤」を織り交ぜてRAW現像したものです。

Q.こちらの作品の解説をそれぞれお願いします。

こちらは神奈川県江ノ島神社の岩場で撮影しました。岩場に流れる若い頃にマリンスポーツの撮影をしていてここによく行きました。DMやポスターにも使っておりますので今回のメイン写真だと思っております。海水が岩場に流れ込んでいる情景を真上から撮影しました。ダイナミックな印象を与えてくれます。

こちらは今年撮影したばかりです。京都大原の音無の滝で撮影しました。本来の滝の流れは左から右へというものですが、自分の解釈を施すことでどこが上なのかという観念を取り払おうとしました。鑑賞者には、この作品だけでなく、ほかの作品に対しても、抽象芸術として感じてもらいたいです。

Q.今後の作家活動の展望はどのように考えられていますか?

転機となった3、4年前から決めているのですが、今回の展示のようなビジュアルアートの作品づくりを継続、延長させていきたいと考えています。神聖な土地にあるメッセージ性を読み解きたいという思いを持ち続けたいし、国内だけでなく海外の歴史ある土地に訪れて撮影もしたいと考えています。また今回の動画、ポストカード、音楽というように写真だけにこだわらない空間芸術の表現を目指して行きたいと考えています。

京都写真美術館「令和循聖」会場用の映像作品はこちらでご覧になれます

【hiro 作品展「令和循聖」】
会期:2019/9/3(火) 〜9/29(日)
会場:2階「花」
時間:11:00~18:30
※無休、入場無料
https://kyoto-muse.jp/exhibition/81973