大町憲治 蒔絵師の視点 PartⅡ「-CONTRAST-」インタビュー

2019年11月29日

大町憲治 写真展・蒔絵師の視点 PartⅡ「-CONTRAST-」が京都写真美術館ギャラリー・ジャパネスク1F「雪」・「月」で11月26日(火)〜12月8日(日)まで行われていますので、そのレポートをお届けします。

作家・大町憲治さんは蒔絵師として、京都を中心に活動されています。作家としてオリジナリティの追求を心がけて、蒔絵を生かした抽象的な工芸作品、新素材を生かして新技法・「彩輝光」を創始考案するなど、様々な活躍をされてきました。作家としての新たな挑戦として始められた写真表現においても、蒔絵師として培ってきた螺鈿の手法を取り入れるなどして、写真の分野においても独自の表現を目指されております。
今回の展示は、新たな試みとして「長秒露光」の技術を取り入れた、風景写真を始め、蒔絵、漆工芸などの多岐にわたる作品がございます。

展示中の蒔絵・漆工芸作品

Q. 展示名「CONTRAST」について

「CONTRAST」は対比というように、写真作品と蒔絵作品の素材感、立体や平面での表現方法、色彩の比較などを楽しんでもらえたらと思い、このように名づけました。

Q. 大町さんが創始考案された新技法「彩輝光」の画期的な点

京セラの開発された、京都オパールという人工の新素材を用いることにより、色彩を自分の意のままに表現できる点です。

Q.当館での展示は二度目となるが、前回からの変化、進化した点

一年前の前回は展示室「雪」での展示でしたが、今回は「雪」「月」での展示ということもあり、スペースが大きくなり、発表する作品も増えました。また前回の写真作品との違いとしては、長秒露光に挑戦して、より抽象的な芸術表現を追求しました。

Q.作品解説

「夕陽を浴びて」
山口県にて撮影しました。当初よりDMのデザインについては横長の構図スタイルにしようと計画していました。色のコントラストを理解してもらえるように、シンプルな平面構成を組み立てました。また、夕陽の当たった堤防の水平線がインパクトを与え、より強い印象を感じてもらえるようにと思い、この作品をDMとして採用しました。

「CONTRAST」
今回のタイトル名「CONTRAST」を最も反映している作品です。
同じモチーフを様々な色彩で表現しました。組写真として鑑賞してほしいです。

『四つの感情「喜怒哀楽」』
漆工芸作品。フォルムは丸みを帯びていて似ているが、それぞれつぶさに観察すると違いが分かる。
作品単体のどれがどの感情に相当するのか、鑑賞者それぞれの審美眼におまかせします。

Q.今後の作品制作について

現在は写真制作に大変興味を持っておりまして、蒔絵師ならではのパーソナリティ、ユニークな視点を生かしながら、オリジナリティを追求していきたいと思います。アート写真の世界でも自身の活動を理解してもらえることで、蒔絵との相乗効果を期待して、日本文化に貢献していけたらなと思います。

全日在廊予定の大町さん。気軽にお立ち寄りください!

大町憲治 写真展・蒔絵師の視点 PartⅡ「-CONTRAST-」
会期: 2019/11/26 ~ 2019/12/08
会場:1F「雪」「月」
時間:11:00~18:30
※無休、入場無料
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